表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の地球人♂、仙女や魔女と月の海を航る ~ルナマリアノーツ~  作者: 和泉 健星
4章 散る命、咲く命 ―偽りの楽園―
102/138

♯79 死を冠する植物と、新たなる姿で戦った(前編)

第79話。4章もいよいよクライマックスです。





 これはまだ<小地球樹エリダーン>を発つ前。シャロンとクロエ、二人の<魔女>を四柱よにん目の造物主カミサマと引き合わせたあの日に、ボクとマリナ、そして四柱よにん目の造物主カミサマとの間であったやりとりだ。



「四大兵装?」

「そ。四大兵装」


 聞き慣れない単語に思わずキョトンとするボクを見て、四柱よにん目の造物主カミサマこと<種を播くもの(シードマスター)>クーリエは、額を掌で押さえ、これ見よがしに溜め息をついてみせた。


「……マジかよ。カグヤの奴、それすら説明してねーのか。なんのための水先案内人だよ」

「まあまあ☆ 現状、イサリさんが使用可能な兵装は限られているワケですし。それについて説明するのは時期尚早だというカグヤちゃんなりの判断があったんじゃないでしょうか」


 今この場にいない(シャロンやクロエと一緒にみんなのところへ先に戻った)双子の姉をマリナが庇う。


 それはいいとして、だ。


「四大兵装ねぇ」


 言われてみれば……、


「――以前カグヤがそれっぽいことを口走っていたような気もするな。確かあれはスーザンによって第十一<神域>ロストワールドの内側に引きずり込まれる直前だったかな?」



 ――『あなたの作ったおりくさりが、もうそう長くはたないことはわかってる! でも、だんなさまは最近「こっち」に来たばかりなの! まだわたしと「あのコ」にしか認められていない……たったのふたつしか神威かむいを宿していないのよ! 今のだんなさまに「あれ」の相手はまだ無理だわ! あなたが一番よくわかってるでしょう!? 「あれ」は()()()()()全部で挑んだとしても勝てるかわからない強敵! だからこそ十一番目の試練の相手として――』



「……うーむ」


 そのあと怒涛の展開が待っていたとはいえ、こんな気になる発言を今の今までスルーしていたなんて……。いくらなんでも能天気すぎないか、ボク。


「いくらなんでも能天気すぎんだろ。なあ、マリナ」

「能天気なイサリさんも素敵ですけどね☆」


 …………………。


「逆にマリナはボクのどういうところがダメだと思う?」

「素敵すぎるせいで、わたくし以外の女の子も片っ端から惹きつけてしまうところでしょうか☆ ――まあ、この世にイサリさんよりも魅力的な殿方が存在しない以上、イサリさんがおモテになるのは宇宙の摂理とでも言うべき必然なワケですけれど」

「ルーナでもしないぞ、そこまでの過大評価! ……たぶん」


 …………しないよね?(汗)


「てか、ボクがいつモテたってのさ? 十六年生きてきたけども、ボクに好きだと言ってくれたのはカグヤ・ルーナ・サシャちゃんの三人だけだぞ。全員ロリだぞ」


 いや待て。合法ロリ(?)のカグヤと微妙なお年頃のルーナはともかく、サシャちゃん(四歳児)をカウントするのはどーなんだ自分……。


 ……って、イカン。話が脱線した。


「察するに、ボクがいつも『変身』しているあの姿も、その四大兵装とやらのひとつなのかな?」

「ああ。――バージョン<ボーダーガード>。守人もりびとの基本形態とでも言うべき姿で、<創造と再生の地球意思(ライトガイア)>であるマリナとは『タマ』で、<破壊と修正の地球意思(ダークガイア)>であるカグヤとは『シイ』で深く繋がった姿だ」

「『タマ』と……『シイ』???」


 タマシイとは、精神を司る『タマ』と肉体を司る『シイ』を指す言葉で、これらは天地や陰陽と結び付けられ、月の満ち欠けにも関わるという話は、ボクも何かの本で読んだことがあるけれど……。


「『月火憑神げっかひょうじん』は、」とマリナが補足する。「わたくしのチカラ『星核構築デイジーワールド・プログラム』を使って、四大兵装のいずれかを具現化し装着するワケですが。その際イサリさんは、その身に宿す造物主、『魂魄タマシイの婚姻』を結んだオーバーロードのうち誰か二柱ふたりと、『魂緒タマノオ』を介して深く繋がることになります」

「誰か二柱ふたりと……『魂緒タマノオ』を介して?」

「はい。それぞれの兵装の動力となるふたつのチカラ、その供給源ソースとなる二柱ふたりと、です。バージョン<ボーダーガード>の場合はわたくしとカグヤちゃんですね。つまり『魂緒タマノオ』は供給パイプのような役割を果たすワケです」


 ふむ……。


「で、だ」クーリエは人さし指を立て、「肉体錬成のチカラである『地球系統ガイア・システム』と、物体形成のチカラである『星核構築デイジーワールド・プログラム』。このふたつの供給源ソースとなる二柱ふたりと深く繋がることで『変身』可能なバージョン<ボーダーガード>の最大の特長は、ズバリ、鉄壁の防御力だ」

「防御力」

「ああ。特に防御特化形態ディフェンダーモードだと、兵装に『星核構築デイジーワールド・プログラム』由来の自動修復機能が備わることもあって、装着者自身がダメージを負うことはほとんどえ」


 うーん……。


「その自動修復機能も、攻撃特化形態アタッカーモードになると消失ロストしちゃうみたいだけどね……」

「その代わり、肉体が傷付いた際はたちまち治癒・再生するだろ。『地球系統ガイア・システム』由来の自動治癒能力でよ」

「そりゃそうだけども」


 痛いものは痛いんだよな……。

 キロウスに右腕を噛み千切られたときは、あまりの激痛にショック死するかと思ったし……。


「――最初から最後まで防御特化形態ディフェンダーモードで戦えればそれに越したことは無いんだけどなぁ」

「つっても、双聖の神器ツイン・セイクリッド・アームズが使えねえ防御特化形態ディフェンダーモードは攻撃手段が限られちまうからなぁ。痛し痒しってヤツだな」

「別にプラズマのブレードが無くてもボクには神威かむい体現闘法(たいげんとうほう)漁火いさりびけん>があるし……」

「……宙を漂っている『地球系統ガイア・システム』を妙な呼吸法で体内に取り込み、魂魄タマシイを種火代わりにして爆発・燃焼させ、拳なんかに乗せて叩き込む例のトンデモ技法か。マジでなんなんだよあれ。意味わかんねーんだけど」


 あ。クーリエの目から見てもトンデモ技法なんだね、あれ……。


「それに、」とマリナはニッコリ笑って、「双聖の神器ツイン・セイクリッド・アームズを使えば、『魂魄タマシイの婚姻』を結んだオーバーロードのチカラを借りることも出来ますしね」

「そういえばそうだったね」

「はい。いろいろなチカラを使えることによる汎用性の高さ――防御特化形態ディフェンダーモード攻撃特化形態アタッカーモードの使い分けによって、どんな戦況でもそれなりに対応できる使い勝手の良さ。それもまたバージョン<ボーダーガード>の特長のひとつです。この特長はわたくしとカグヤちゃんが八十八(にん)いるオーバーロードのリーダー格であることを由来としています」


 と、いうことは……、


「マリナとカグヤ以外のオーバーロードと深く繋がって『変身』する他の兵装には、兵装の自動修復機能や肉体の自動治癒能力はもちろん、この身に宿るオーバーロードのチカラを借りる機能も備わっていないワケだ」

「はい。他の兵装の場合、使えるチカラは『タマ』と『シイ』で深く繋がった二柱ふたりのオーバーロードのチカラだけです」

「ほーん」

「しかも防御特化形態ディフェンダーモード攻撃特化形態アタッカーモードといったバージョン内での換装もありません」


 ふむ。


「要するに、だ」とクーリエが総括する。「マリナやカグヤと深く繋がって『変身』するバージョン<ボーダーガード>は、基本形態なだけだって万能な兵装なワケさ。敵のデータが無い場合は、とりあえずこれを使っておけば間違いはえ」


 ……そうなると、ボクが『デイジーワールドの実』を食べて得た『星核構築デイジーワールド・プログラム』のチカラだけで『変身』していたころのバージョン<ボーダーガード>は、本領には程遠かったんだなぁ……。


 というか、


「ふと思ったんだけどさ。バージョン<ボーダーガード>があれば他の兵装は要らなくない?」


 万能と呼ばれるだけあって欠点らしい欠点も見当たらないし……。


「そんな甘くえんだよなぁ、実戦てのは」


 え?


「どういうことさ、クーリエ」

「さっきマリナが『汎用性の高さと、どんな戦況でもそれなりに対応できる使い勝手の良さがバージョン<ボーダーガード>の特長だ』って言ったけどよ。極めて特殊な条件下での戦いや、一芸に特化した敵が相手の場合なんかだと、他のピーキーな性能の兵装のほうが案外戦いを有利に運べたりもするんだわ」


 ……ピーキーな性能?


「もしかして、残るみっつの兵装は長所と短所が両極端だったりするの?」


 ゆえに、極めて特殊な条件下での戦いや一芸に特化した敵が相手の場合は(長所が上手くハマれば)バージョン<ボーダーガード>より楽に戦えるってこと……?


「そういうこった。特撮番組でよくあるパターンだな。パワーに特化した鈍重極まりない形態とか、スピードに特化したイマイチ火力に乏しい形態とか。そんな感じの……所謂いわゆる『派生形態』?」

「なんで特撮番組のあるあるパターンなんて知ってるのキミ!? 仮にも月と地球の造物主の一柱ひとりのくせに! 特撮番組を観たことあんの!?」

「なんだよ造物主カミサマがウ○トラマン好きだったら悪いってのかよ!? オリジナルの地球はもちろん、共時性きょうじせいによって数多あまたの平行宇宙、幾多いくたもの模造地球デイジーワールドで生み出されてきた人類最大の発明だぞ、ウル○ラマンは!」

「キミ的にはウルトラ○マンが人類最大の発明ってことでいいの!?」

「仮面ラ○ダーも捨てがたい」


 あ。そっちも知ってるんだね……。

 でもって、その二択なんだ……。

 ボク的には戦隊ヒーローもお奨めなんだけど……。


 でも、そっか……。ウルトラ○ンや仮面ライ○ーって、オリジナルの地球でも放送されてたんだ……。


 共時性……。共時性か……。


 難しいことはわからないけれど、ひょっとしてオリジナルの地球もまた、日本という国が存在したり、ボクが生まれ育った地球と同じような歴史を辿っていたり、似たような偉人が似たような時代に似たような発明をしていたりするんだろうか。


 ……と、思索に耽るボクの鼻先に、クーリエはビシッと人さし指を突きつけ、


「とにかく、だ。――イサリ。おまえにはこれから、残るみっつの兵装のデータを叩き込む。いずれそれらの知識が役に立つ日が来るだろうからな」

「でもさ。バージョン<ボーダーガード>がカグヤやマリナと深く繋がることで『変身』可能な形態であるように、残るみっつの形態、兵装も、『変身』するにはチカラの供給源ソースとなってくれる造物主カミサマと深く繋がる必要があるんだろう?」


 現状ボクが深く繋がれる……『魂魄タマシイの婚姻』を結んだオーバーロードは、カグヤとマリナを除外すると<種を摘み取るもの(スピーシーズバスター)>スーザンくらいなのだけれど。


 使えない兵装の知識だけあってもなぁ……。


「いいから聞いとけ。いずれは必要になる知識なんだから」


 渋るボク(基本勉強が嫌いなので)を見て、クーリエはニヤリと笑う。


 そして、こう言った。


「それに、残るみっつのうちひとつは、そう遠くないうちに使えるようになるさ。おまえならきっと、な」

「……え?」

「そう、その日はすぐに来るはずだ。――守人もりびととしての使命を自覚することでおまえの魂魄タマシイが今よりも研ぎ澄まされ、カグヤとマリナ以外のオーバーロードとも『魂緒タマノオ』で繋がれるようになる日が」

「使命を自覚することで……」


 ボクの……守人としての使命……。


「その兵装の名は、バージョン<メテオストライカー>」

「<メテオストライカー>……」

「『魂緒タマノオ』で繋がるオーバーロードは、アタイの妹、<種を摘み取るもの(スピーシーズバスター)>スーザンと、そして―――……」











 キィィィィィィィ……ン――

  キィィィィィィィ……ン――



「これは……」


 ユラユラと陽炎かげろうのような蒼炎そうえんを立ち昇らせて、ボクの左腕に装着された籠手ガントレットが『共鳴』していた。


 ボクの中にいる――この身に宿る二柱ふたり造物主カミサマの闘志に応えるように。


 やはりこれは――


「促しているのか……あの二柱ふたりが。バージョン<メテオストライカー>への再変身――全換装コンバージョンを」


 死角から襲い掛かってきた『死の植物』のつる、その先端のあぎとを左腕の籠手ガントレットでガッチリと受け止めつつ、ボクは籠手の表面に浮かんだ文字列をもう一度確認する。



 ――『守人もりびととしての使命の自覚を確認。

    新たな兵装が使用可能となりました。


    新たに使用可能となった兵装:Ver.<Meteor striker>』



「……守人としての使命……」


 そうだ。


 ……この魂魄タマシイに課せられた使命を果たすため。

 ……月と地球、そこに住まういとらを護るため。


 今こそ。


「チカラを貸してくれ――スーザン! ()()()()!」


 右手を頭上に掲げ、吼える。



全換装コンバージョン! <メテオストライカー>!」



 瞬間。


 こう! と夜天から眩い光の柱が降ってきて、ボクの視界を包み込んだ。


 同時に、青生生魂アポイタカラと呼ばれる神秘の金属で出来た全身防護服メタルジャケットに変化が生じる。


 ベースとなるカラーは、幻想文学の世界から飛び出したかのような美しい留紺とまりこんから夜空を翔ける流星のような鮮やかな紅へ。

 所々に浮かび上がる光芒の形は、純白の白鯨からみどり色の箒星ほうきぼしへ。


 全体的な形状や黄金色こがねいろ金属彫刻エングレーブはバージョン<ボーダーガード>の攻撃特化形態アタッカーモードそのままに、ボクの身を覆う全身防護服メタルジャケットが、その色と光芒をガラリと変貌させていた。


 ……いな。よく見れば、形が変わっているところが一か所だけあった。


 左腕だ。


 装束同様、紅へ変色した両腕の双聖の神器ツイン・セイクリッド・アームズ――その左腕に装着されたほうだけが、その形状を大きく変化させていた。


 まるで弓のような三日月状の突起が展開していたのだ。


「そうか……。確かクーリエの説明によれば、バージョン<メテオストライカー>の得意とする戦法は――」


 変化していたのはそれだけではなかった。



全換装コンバージョン! <ルナマリアノーツ>!』

『バージョン<メテオストライカー>! 起動アクティベート!』



 ボクの頭の中に響く『声』も、カグヤとマリナのそれではなくなっていた。


 当然だ。今ボクと『魂緒タマノオ』深く繋がっているのは、地球の化身、分霊である双子ではなく――



『――終息をもたらし!』



種を摘み取るもの(スピーシーズバスター)>スーザンと、



『――息吹を振り撒く!』



種を播くもの(シードマスター)>クーリエの姉妹なのだから。



 ……そして。



 ブウ……ン……!



衝突の冬インパクト・ウインター』と『宇宙播種パンスペルミア』。星を降らせるチカラを持つ姉妹の認証を受けて、コートの表面を翔ける箒星の形をした光芒が閃光を帯び、各種機能が起動。戦闘態勢へと移行し、再変身が――全換装コンバージョンが完了する。


「バージョン<メテオストライカー>……」


 ボクの背後で、両脇にスズランさんとダリアちゃんを抱えた<神の財産目録保存者ホワイトデイジー・ベル>ロッカがポツリと呟くのが聞こえた。


「――対巨獣、そして遠距離戦闘を得意とする流星の射手……。その戦闘スタイルは――」



 ギョイイイイイイイッ!


 シャギャアアアアアアアッ!



 そんなロッカの独白を掻き消すように、もう残り少なくなっていた『深きものども』の群れと無数の『死の植物』の蔓が一斉に襲い掛かってくる。



『――させん』



 直後、頭の中でスーザンの『声』がした。

 同時に、地中から幾条もの鎖から飛び出してきて、異形たちを捕縛する。

 あの巨大な『月棲獣げっせいじゅう』の自由すら奪うことが可能な、スーザンの神威かむいで構築された紅い光の鎖だ。



『任せろ!』



 次いでクーリエの『声』がして、彼女の意思で召喚された隕石の雨が、身動きできない異形たちを次々と脳天から打ち砕く!


「す……すごい……」


 ロッカに抱えられているスズランさんが、バージョン<メテオストライカー>の本領、もはや自動迎撃能力と呼んでも差し支えないスーザンとクーリエの連携コンボを目の当たりにして、感嘆の声を漏らし――


「…………………!」


 そして、気が付けば。


 こちらを包囲していた異形たちは、一匹残らず殲滅されていた。


『深きものども』はもちろん、次々と生えてくる『死の植物』の蔓も、クーリエによって何度でも召喚される隕石を前に、余すことなく蹴散らされていた(バージョン<ボーダーガード>の自動修復機能や自動治癒能力同様、バージョン<メテオストライカー>の自動迎撃能力にも、インターバルといった制限は無いようだ)。


 飛来した隕石に撃ち抜かれ、粉々になって炎上する『深きものども』の群れ……元はヒトの子だった者たちの最期を無言で見届けるボクの頭の中に、



『……ゆるせ』

『……安らかに眠れ。いつの日か、もう一度ヒトとして生まれてこられるように』



 再度スーザンとクーリエの声が響く。


 が、そんな造物主たちの祈りにも似た独白を引き裂くように、



 ギャオオオオオオオンッ!



『死の植物』の咆哮が大気を震わせた。


 見れば、全長80m近い植物型生体兵器は、正面、約50m先までいつの間にか迫っていた。

 こちらとのサイズ差を考えれば、もうほとんど目と鼻の先と言っていい距離だ。


 その全身もまた、スーザンの神威かむいで構築された紅い光の鎖によって雁字搦がんじがらめにされ、地に縫い付けられていた。


 ただし、『月棲獣げっせいじゅう』すら軽く凌駕する巨体を押さえ続けるのはやはり難しいのか、鎖には早くもヒビが生じ始めている。


「さあ、」


 こちらを脅威と認識したのか、巨体の頂上部に咲いたラフレシアのような花から威嚇するみたいに黄色い花粉を撒き散らしている化け物を見上げ、ボクは冷徹に告げた。


「――残るはおまえだけだぜ、化け物」



 決着の瞬間ときが近付いていた。



※評価、ブックマーク、感想等よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ