何でもない日の朝を特別な朝に~後編
私が生まれた国に戻り、しばらく経ったある寒い朝のこと。
窓から差し込む明るい陽射しに目を開ける。
温かい布団の中からぼんやりと外へ視線を移すと、カーテンの隙間からキラキラと輝く白いモノが見えて、いつもより明るい理由を察した。
「雪が積もったんですね」
真っ白な雪に反射して普段より室内を明るく照らす太陽の光。
真っ青な空に冷えた空気の外とは反対に、ぬくぬくとした布団の中はとても気持ち良くて二度寝しそうになる。
起きるかどうするか考えていると、私の頭の下にある褐色の腕が少しだけ動いた。
背中から抱きしめるように包まれた温もりに、ほんの少しの恥ずかしさと嬉しさを感じる。
(一緒に寝るようになってしばらく経つのに、いまだに慣れません)
少しだけ顔を動かすと頭元に置かれた小さな箱が目に入った。黄色のリボンで可愛らしくラッピングされ、明らかにプレゼントと分かる様相。
ただ、今日は誕生日とか記念日とはではなかったはず。
「えっと……」
プレゼントに心当たりがない私はツカサ様から聞いたクリスマスという話を思い出した。
バーク様を起こさないようにソッと上半身を起こして箱を手にする。
ドキドキしながらリボンをほどいて、箱を開けると……
「綺麗……」
金と水色の丸い宝石で作られた髪飾り。
その色はバーク様の黄金の瞳と私の水色の瞳と同じ色で……
「え? えぇ!?」
顔がポンッと熱くなる。
ワタワタしていると下からフッと小さな声が漏れた。
「バーク様、起きて!?」
すると、褐色の逞しい腕が伸びてきて、驚く私を包み込んだ。
「キャッ」
そのまま布団の中に引きずり込まれ、抱きしめられる。
「あ、あの……」
パニックになっている私の耳に低い声が囁く。
「たまには、こういうプレゼントもいいな。可愛いミーが見られた」
「もしかして、最初から起きていたのですか!?」
唖然とする私の頬を紫黒の髪が撫でた。
「どういう反応をするか見たくてな」
甘えるような仕草に胸がキュンとなる。
「あ、ありがとうございます」
「またするか」
「あの、心臓が持たないので、するなら一年に一回ぐらいにしてください」
私の訴えにバーク様のフッと笑う。
「わかった」
そのまま寝そうに黄金の瞳を閉じたバーク様に私は慌てて声をかけた。
「あ、あの、そろそろ起きますか?」
私の問いに紫黒の髪がゆったりと横に揺れる。
「いや、今日は休みだし、もう少しこのままでも良いだろ」
「……そういえば、そうでしたね」
いつもなら起こしに来る使用人も今朝は来ない。
外も雪のせいかとても静かで、穏やかな空気が流れる。
「だから、もう少しだけ、な」
「……はい」
耳元で囁かれた声が私の胸を甘く痺れさせる。
私は抱きしめられたまま、もう少しだけ甘い朝を過ごした。
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ぜひぜひ、そちらでも甘々な二人をお楽しみください!




