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「勘違いですれ違った恋」番外編  作者: 柏木紗月
新婚生活スタート
17/62

ガールズトーク


千恵『で、相談事とはなんですか?奥さん』

愛子『新婚早々お悩みですか?どうせ毎日ラブラブなんでしょ』

由紀『2人ともからかうのやめなよ。それでお騒がせな佐々木さん、どうしたの?』

自分「もうみんな意地悪言わないでよー!!」


 木曜日、私は先輩がお風呂に入っている間に由紀たちとメッセージアプリで電話をしてる。みんなには月曜日の同じ時間にことの次第を報告していた。すごく怒られて心配されたあと祝福してもらった。


由紀『ごめんごめん。で、どうしたって?』

自分「うん、あのね、聞きにくいんだけどね」

愛子『わかった!!夜のことだね!!』

自分「う、なんでわかったの?」

愛子『椿のことなんてお見通しだよ』

千恵『イケメン旦那はへ「違うよ!!上手だよ!!」なーんだ』

自分「もう!!そうじゃなくて私がもっと先輩に喜んでほしいの」

愛子『女の子だねー』

千恵『愛は人を変えるんだね』

由紀『そういう話になると自分のことじゃないのに真っ赤になってたもんね』

自分「う……からかわないで教えてよー」

由紀『千恵、愛子、あんまり刺激的なこと言わないでよ。椿倒れちゃう』

千恵『はいはーい』

愛子『ラジャー』

千恵『可愛い下着を着るべし』

愛子『確かにー!!椿の全然可愛くないし』

由紀『せめて専門店で下着買いな。この機会に』

自分「だ……だよね」

愛子『フリフリとかー』

千恵『椿ならレースの方が似合うよ』

由紀『ベージュはやめな』

自分「う、うん……」

愛子『でもセクシー系はあんまりじゃない?』

千恵『だね。あくまでも清楚なのが良いよ』

自分「わ、わかった」

由紀『ちゃんとサイズ測って買うんだよ』

千恵『由紀日頃の不満爆発してる』

自分「そ、そうなの?」

愛子『由紀いつもあれはいただけない、いくら男の影がないからって酷いって言ってたもんね』

自分「えー!!由紀怒らないで!!」

由紀『怒ってないって』

愛子『あとは自分からキスしてみるとか』

自分「昨日したの」

由紀『椿!!いつからそんな子になったの!?』

千恵『ひゅーひゅー積極的』

愛子『なんだってー?』

自分「名前を呼んでみてね、愛してますって言ってキスしたら、嬉しすぎるって感動するって」

千恵『そりゃーわけわからん勘違いで7年も逃げられてたら感動する』

自分「う……」

愛子『イケメンが可哀想』

由紀『イケメンって私たち顔見たことないけどね』

千恵『早く会わせろー』

自分「だからいつ空いてるって聞いたでしょ」

千恵『私と由紀はいつでもどこでも馳せ参じるよ。イケメン見に』

由紀『まあ確かにクォーターって聞いたら期待するわ』

愛子『イケメン鑑賞したい!!けど土日休めなーい!!』

千恵『愛子抜きで良くない?』

愛子『酷いよ!!待ってよ!!頑張って休みもぎ取るからー!!』

自分「と、ところで私の相談は……?」

愛子『自分からキスできるならなんでもいけるんじゃない?』

自分「無理だよ!!精一杯だったの!!」

千恵『お得意のネットで検索したら良いじゃん』

自分「も、もうちょっとハードル低めのアドバイスが欲しくて」

由紀『どんなサイト見たのよ……』

愛子『思うんだけど私たちに聞くよりむしろ旦那に聞いたら良くない?』

自分「ええ!?無理だよ!!なにをどう聞くの!?」

千恵『確かに話を聞く限り旦那は椿を溺愛してるから他所で覚えてくるより教えたいって思うんじゃない?』

自分「それは、お、教えたくなるって言ってたけど……!!」

愛子『きゃー!!イケメンは言うことがイケメンだね!!』

自分『で、でもそういう話じゃないと思うけど……いや、でも』

千恵『椿がそういう話だって思ってるんでしょ』

自分『だ、だってなんかわかんないけどぞわってするんだもん!!それに日に日に色気が……!!』

愛子『ほうほう……』

自分「よく耳元で囁いてくるしほっぺた指先で撫でてくるし酷いんだよ!!」

千恵『惚けだ』

愛子『結局惚けを聞かされただけじゃん』

由紀『本当だよ。ご馳走さま』

自分「そ、そういうんじゃないのに!!」


 と、その時お風呂場から音がしてきた。もうそんなに時間経ってたんだ。


「椿?」

「へ!?あ、す、すみません!!」

「電話?良いよ、ゆっくり話してて」

「いえいえ!!もう切ります!!」


 お風呂上がりのいつも以上に色気のある先輩がリビングに来て慌ててしまう。電話を耳にあてなおす。


愛子『椿から連絡してきたのにー!!』

自分「ご、ごめん!!ありがとね」

千恵『イケメンと話したい』

由紀『声もイケメンだった』

自分「も、もう……じゃあね」


 じゃあねと言ってるのに愛ちゃんが糸口の自分と話をさせろとかみんな口々にいろいろ言ってくるからなんだかんだとわちゃわちゃしてようやく電話を切る。そんな私の前のテーブルにカップが置かれる。


「邪魔しちゃってごめんね」

「いえ!!大丈夫です!!」


 相談してた内容が内容だからヒヤヒヤするけど先輩が淹れてくれたコーヒーを飲むとほっとする。先輩はそのまま飲むけど私はミルクを入れて飲んでる。


「んーいつ飲んでも美味しいですね」

「そう?良かった」

「やっぱり土日もパンにしましょうか。先輩毎朝欠かさずコーヒーは飲んでたんですよね」

「……」


 先輩は微笑んだままなにも反応しない。


「は、はや……とさん毎朝欠かさずコーヒー飲んでたんですよね」


 先輩は私が名前を呼ぶまで返事をしてくれなくなってしまった。私は言えても片言になってしまう。


「そうだけどご飯にお茶でも良いよ。そうだ、買ってきたんだった。間宮さんのどうでも良い話で忘れるところだったよ」


 どうでも良いなんて酷いなーと思ってると先輩は寝室に行ってすぐに戻ってきた。


「急須と茶葉ですか?」

「うん。今まで夜水だったけどこういうのも良いかなって。土日もお茶にしたら良いよ。面倒?」

「そんなことないですよ。土曜日からこれ飲みましょう」

「うん」

「そうだ。いろんなお茶を飲み比べましょうよ。土曜日お義母さんと優菜さんと買いに行きませんか?」

「んー行くのは良いけど母さんと優菜さんはなあ……。ねえ、それなら別行動して買おうよ」

「え?わざわざ遊びに来てくれるんですから一緒に買いましょうよ」

「んー……」


 先輩は難しい顔をして唸る。そ、そんなに嫌なのかな。


「まあ良いや。椿母さんたちが来るの楽しみにしてるもんね」

「それは楽しみですよ」

「俺明日絶対定時であがるよ」

「本当ですか?せんぱ……はやとさんも早く2人に会いたいんですね」

「……ま、とりあえずお茶買おうね」

「はい。あ、でもコーヒーも飲みたいですよね。1日1杯飲むのに早くも慣れちゃいました」

「そう?じゃあコーヒーもにしようね」

「そういえばコーヒーメーカーももらったんですよね」

「そうだよ。関さんっていうんだ」

「どんな人なんですか?」

「関さんはスーツのお店やってるんだ。既製品もあるんだけどセミオーダーもできるんだよ」


 私たちの地元から少し離れた場所にお洒落なお店が立ち並んでいるところがある。有名人もたくさん来る。私は行ったことがないけど。村岡さんのお店もあるそこに関さんのお店もあるそうだ。


「へー!!またすごい人!!」

「俺の着てるスーツも全部関さんのとこなんだよ」

「かっこいいですよね。あれ?でも帰省するときに買うんですか?」

「ネットで買えるんだよ。それでセミオーダーもできるんだ」

「そうなんですね。……先輩?じゃなかったはやとさん?どうかしました?」

「さ、散財してないよ?」

「……ああ、高いんですね。あの場所にあるんですもんね。もう、気にしないでくださいよ」

「俺の私服もその近くの店で買ってるんだ。そっちは帰省した時にたまに買い足すくらいだけど」

「どうりでかっこいいと思いました。せ……はやとさんによく似合ってて素敵です」

「本当?」

「ふふ、本当ですよ。安い服は安い服の良いところがありますけど良いものはやっぱり良いですよね」

「良かったー。若菜には言わないでね」

「はい?若菜に?なんでですか?」

「だって高いものを買ってるのがバレたら馬鹿にされるんだよ」

「え!?そんなことないと思いますよ」

「絶対するの。嫌なの。若菜に馬鹿にされるの絶対嫌」

「そ、そうなんですね……」


 若菜はそんなこと気にしないと思うけど先輩はすごく気にしてるみたい。こんな先輩も初めて見る。そういえば若菜は先輩はバスケにしかお金を使ってないと思ってるような言い方をしてた気がする。結城くんも知ってるはずだけど先輩が言わないでって頼んでるから言ってないんだな。


「ね、お願い。ダメ?」

「だ……だからその顔を……わかりました。私も若菜に秘密にしますね」

「良かった。若菜に付け入る隙を与えたくないからね」

「またそんなこと言って……」

「これで安心だよ。ああ、でも関さんには気を付けてね」

「どうしてですか?」

「関さんは女の人を褒めるのが趣味なんだよ。関さんにとって挨拶なんだ」

「そ、そういう人なんですね」

「うん。でも竜二さんと関さんがみんなの中でまともな人なんだよ。落ち着いてて大人の男って感じで憧れるんだ」

「憧れてるんですねー。会えるの楽しみです」


 そして先輩は大学生の時にアメリカで関さんにスーツを作るところを見せてもらったり一緒にパーティーに行ってスーツをさりげなく売り込むのに付き合ったという話を聞かせてくれてコーヒーを飲み終わるまで楽しく話をしていた。


 


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