二発の弾丸
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「また来てくれて嬉しいよ、炯人くん。」
そう言って黒守さんはストレートティーを僕の前に差し出した。好みを覚えていてくれたらしい。
俺はロヴェリアの情報をもらうため、黒守邸を訪ねていた。
「君の事だから、もう早速組織とセッションを取りたいと思っているんだろう?」
「ええ…まぁ。」
「組織が今目をつけているのは、ヨーロピアンアートミュージアムと言う美術館だ。」
最近、有名な絵画が展示され始めたとニュースでやっていたところだ。
「そいつらの…目的はなんなんですか?」
銀行強盗をしたと思えば今度は美術館、何がしたい集団なんだ?
「奴らは…自己顕示欲の塊なのさ…」
哀れむような目つきで黒守さんがそう呟く。
「この前の銀行強盗のターゲットになった銀行はセキリティが高いと評判の銀行だった。自分達の有能さ加減を人に示したくて仕方がないんだろうね。」
自分達の有能さをアピールしたい、そんなくだらない事の巻き添えになって…サチは…
「許せない…」
手に力がこもる。手の平に爪が食い込んでも収まらない。
「…君の気持ちはもっともだ。」
黒守さんは、この前僕に向けて発砲した拳銃を差し出した。
「君の復讐には、君自身がピリオドを打つんだ。でももしかしたらこれは…君には必要無いかもしれないがね。」
「必要無いかもって、どういう事ですか?」
「いずれわかるさ。まぁ、持っておけばある程度保身になるだろう。」
「だいたいもって、なんでこんなもの持ってるんですか!?」
すっかり忘れていた疑問を口にすると
「ご想像にお任せするよ。」
と、笑顔で返された。
渋々拳銃を受け取る。リボルバーだ。
「…弾は二発しか入ってないみたいですが?」
「…君に必要な弾数は二発、ただそれだけさ。」