スケールが大きいと小さい事に気付かない その4
初めて書きますので拙いですが、宜しくお願いします。
1話2000字前後で書いていきたいと思います。頑張ります。
僕、エルフさん、千花ちゃんは氷の上に立つ黒い建物を見ていた。それが刑務所である。意外に小さい。僕が通っていた小学校の体育館程だ。僕はもっと大きいと思っていた。
「最近地下空間で金属を狙った犯罪が増えているのよ。地下空間の刑務所では足り無くなって、ここの刑務所を増築する事になったのよ。」とエルフさん。
10歳の僕は刑務所とは悪い事をした人を捕まえる場所と認識している。どこにでも悪い事をする人はいるんだと思った。
「何で金属を狙うの?」
「高く売れるからよ。」とエルフさんは言った。僕は思った、今までこの世界でお金を使ってこなかったので、この世界のお金事情に全く触れていないなと。
「お金はあった方が良いもんね。」
「そうなんだけど、理由があるのよ。」その理由とは、家宝を作る事だそうだ。以前は世代や年をかけて金属を自分達の魔力で磨いていって、家宝にするのが普通だった。しかし、最近は大きさや金属の色で家宝にしてしまう事が多くなったそうだ。理由は黒い魔人だ。いつ現れるのか分からず、更に倒すのも大変な為、不安が広がっているからだ。黒い魔人を倒すには一人では無理で、基本的には数人がかりで攻撃を防ぎ、その間に土や光魔法で逃げるそうだ。黒い魔人を倒すには最低でも50人は必要らしい。黒い魔人による被害も相当なものらしい。その為、早く家宝を作る事が流行っているのだ。なので、手っ取り早く金を手にしたい人が金属を狙うのだ。地下空間は忙しいらしい。
「それでどのくらい大きくすれば良いの?」と千花ちゃんはイライラしながら言った。早く終わらせたいのが丸分かりだ。
「それは刑務所の所長に聞かないと分からないわ。」とエルフさん。早速、僕達は所長さんに会いに刑務所に入った。入った瞬間、何だか気分が落ちた。
「刑務所はね、黒い魔力に染まった材料で造っているのよ。中の人達の気を削ぐ為にね。後、魔力を使わせない為にね。」
「耐えれる人もいるんですよね?」
「私の記憶では今のところ誰も居ないわ。」黒い魔力恐るべし。
「とっとと終わらせましょう!」エルフさんが元気そうに言った。所で僕は思った、千花ちゃんはどうなのだろうか、直接触れていない。千花ちゃんに聞いてみた。
「触れて無くても、空気も黒い魔力に侵されているから、あなた達よりは少ないけど影響はあるよ。」そうなのか、誰も逃れられないのか。
所長室は普通の部屋だった、気分も明るくなってきた。所長室やここで働いている人達が使う部屋は普通の材料で造っているそうだ。それはそうだ、働いている人達には魔力を使わせない理由が無い。むしろ、収容されている人達が暴れた時用に使えた方が良い。所長室を開けると「ようこそ、グラヌ刑務所へ!ワハハハ。」恰幅の良いおじさんが手を広げて待っていた。というか明るい、いや、おじさんが光っている!?
「スマン、スマン。わし、光魔法を使えるのでね、少し自慢してみたのだ。」
「大人げないです、ルマーン所長。」
とエルフさん。
「スマン、スマン。」どうやらエルフさんは顔見知りだ。
「ほおー、そちらが黒い魔人を倒した方かな。」
「そうです。クーといいます。」
「いやー、街の被害が無くて助かったよ。ありがとう。」僕は褒められている、何だか恥ずかしい。
「それでこちらがオワークさんです。」とエルフさん。
「どうも、どうも、今回は宜しく頼みますわ。オワークさん。」オワークさん(千花ちゃん)は何も言わない。そっか、寡黙で通しているんだった。
「確かに寡黙ですな、話に聞いた通り。まあ、良いでしょう。とっとと事を終わらせましょうか、地下空間のお偉いさんが遅れるとうるさいのでな。」
ルマーン所長が今回の件について説明した。まとめると、現在体育館程の大きさを小学校程にしたいそうだ。地下2階地上5階建ての建物にしたいそうだ。地下にも造る為に氷の魔法使いのエルフさんも呼んだのだそうだ。
僕は聞いてみた。「そんなに悪い人沢山いるんですか?」
「悪事を働く人は増えていないが、お金に困って仕方無く金属を盗むヤツが後を絶たないんじゃ。恐らくダークネスが関係しているんだろ。」ダークネス?何だそれは?エルフさんが説明してくれた。ダークネスとは闇の魔法を勝手に授ける集団だ。通常闇の魔法を使うには修行が必要なのだが、ダークネスに頼めば修行しないで闇の魔法を使えるらしい。頼むにはお金が必要だ。
「全く分からん。闇の魔法なんて使いたがる意味が分からん。」
「便利じゃないの?」
「確かに瞬時に移動出来るのは光魔法より楽かも知れんが、欠点があるんじゃ。瞬時に移動する際、闇の属性に体を覆われるんだが、その際自分の苦い思い出等のネガティブな事に触れなければならないのじゃ。それに耐えられれば移動出きるが、耐えられないとそのまま闇の属性に引きずり込まれて帰って来れないのじゃ。」確かにそれはヤバい。便利でも使いたく無いと思う。
「その闇の魔法を勝手に授けるのじゃ、本人が了承しなくても。達が悪いヤツらなんだ。只集団としては弱い。」なんでもリーダーの闇の魔女とその左腕の人以外はそんなに強くないらしい。
「リーダーの闇の魔女が一番厄介で強いと思うだろうが、最も危険なのは左腕の男なんじゃ。」左腕とは副リーダーの事らしい。ソイツは左腕が無い傷だらけの男なのだそうだ。ただし、無い左腕の代わりに強力な火の魔法を使えるらしい。人を骨まで残さず燃やすそうだ。更に氷魔法も使えるらしく、その熟練度も相当なのだそうだ。只、ソイツは一般人には手を出さない。手を出すのは闘いに来た人間と魔物だけだ。闇の魔法を授ける事もしない。そこが他のダークネスのヤツらとは違うそうだ。不必要な事はせず、必要な事しかしない。何だか、カッコいいと思ってしまった。僕がダークネスについてあれこれ考えていると、急に所長室のドアが開いた。事件だろうか?
「大変です、ルマーン所長、また囚人が消えました!」
読んで頂き有り難うございます。更新は不定期でやるつもりなので、ご容赦を。次回からミステリーの始まり?です。




