第20話 海軍大改革!
1940年3月
魚雷攻撃のトラウマからなんとか
立ち直った俺は、日米開戦に備えて、
海軍の改革を開始した。
この世界では、満州事変は起こっていないものの、
中国と日本の武力衝突は頻繁に起こっており、
いつ日米関係が悪化するかわからない。
もし、今年の夏に日独伊三国同盟が締結されたら、
米国の日本に対する信頼は一気に低下する
だろう。
日本陸軍の鼻息も荒い。
だから俺たちは、いつ日米戦争に
巻き込まれてもいいよう、
最大限の用意をしておくことにしたのだ。
とはいっても、それほど時間があるわけではない。
だから俺は兵力の強化よりも後方支援の充実を
優先した。
バギーニャはその寒冷で霧の多い、湿潤な気候から
航空機を運用しにくく、航空産業はほとんど
発展していない。
なので、航空隊や空母など、編成、戦力化に時間の
かかる方面は諦め、短時間で効果が出るものを
選択した。
まず、スヴェントヴィトを入渠させられる
ドッグを増やす。
スヴェントヴィト級を修理できるドッグは
ペトロハバロフスクの1箇所しかない。
これでは、このドッグが破壊された場合、
スヴェントヴィトの修理が不可能になる。
今日本で建造されているスヴェントヴィト級2番艦の
ことも考えると、やはり3つは欲しい。
兵器のライセンス生産の技術も
必要だった。
バギーニャも急速に工業化を進めているため、
ある程度の砲や電子兵器は生産できるが、
戦艦の主砲の生産はまだだ。
予備の部品がなければ、損傷しただけで
もう使い物にならなくなる。
スヴェントヴィトの46cm砲も
できれば1セット予備が欲しい。
それから給油艦。
これまでのバギーニャ海軍のドクトリンは
近海防衛だったが、対米戦ともなれば、
広大な太平洋全域で戦うことになりかねない。
そうなったら、艦隊に随伴できる
高速の給油艦は必須だ。
こうして俺は予算草案を海軍省の
プルチョフ大臣に
提出し、議会で承認を得ることに
成功した。




