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第二部 第二章 第Ⅳ話 knight on the planet

 気づけば生萌は小学生の頃から、いつも俺の2歩先を歩いていた。ああ、だからここにいたんだ生萌は。 

 生萌が2歩先を歩いていたというより、俺が生萌の2歩後をつけまわしていたのだろう。溺愛が過ぎて過剰な己の妄想上の悲劇から生萌を守っていたつもりでいたのだと今なら理解できる。俺は生萌がこの世に生まれた瞬間から彼女の夜になったのだ。違う。彼女の騎士になったのだ。かけがいない大切なものを守って守って守っているつもりだった。けれど、あの騎士…違う。あの夜……。


 「ォ兄ちゃん、それは食べるものカい? それとモお弔いの何かお供エかい?」

四つんばいで葦の茂みを掻き分けながら、そう語りかけてくる生萌。

 ショートカットのくせに妙に長い毛がぴょんぴょんと跳ねていて、昆虫の触覚のようだとひやかすと、いつもあの小さい口から舌先をチロッと出して「わかってねぇなぁ」というような横目で笑っていた、あの生萌が、その小さい口から舌先をチロッと出して、そう語りかけてくる、ここは戦国時代。


 その娘は名を「もえ」といった。仲間やたちからは「おもえ」と呼ばれているとも。


(次回予告)

はじまりの予感は、戦国LOVE。異国での出会いは旅人たちを恋人たちへと変えるのか? そして二人の未来に、ああ刻が見える……鼓動が聞こえない。

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