ライダー編 Ⅵ(終)
ライダー編最終話。
出来るだけいい話チックに終わらせたかった。
テストプレイと銘打ったバトルフェイズが終わった数日後。
僕は七菜さんと話し込んでいた。
勿論内容はベルトについてだけど。
あの日、お互いを殴り殴って蹴り飛ばした後、疲れて寝ちゃったんだよね。
そらほぼ引きこもってた輩がいきなり出てきて喧嘩的なことをしたら疲れるわ。
奇跡的に全身の傷のことはマッマには詮索されなかった。
具体的に言うと、胴体とかが多かったから服で隠せた。
んだけど、流石に風呂は染みたわ。
傷だらけの男子。
そんな少女漫画ありそう。
というわけで…というわけで?
というわけで色々あって、今日になった。
今日も今日とて七菜さんは元気です。
朝からやめろ変態。
まずシステムについて話し合おう。
七菜さんに聞いてみる。
「結局、システムは予定通りに作動したん?」
「おふこ」
「そうですか変態は失せな」
「変態って誰のこと?」
「は?」
「ゴメンチャイ」
会話が進まない。
キャッチボールってよく会話を例えるけど、キャッチしなきゃ会話は成り立たないからね?
今やってるのは会話じゃあねぇ。
ストレートでボール投げたらスプリット当てられて相殺されるみたいな感じ?
何を言ってんだろうか分からねぇと思う。
僕にも分からねぇ。
「ところで、なんだが…。七菜さんは1つ、聞いてみたいんだよ」
「なんだね?」
いきなり七菜さんがゲンドウポーズでこちらに尋ねてくる。
何を聞いてくるのか。
僕のスリーサイズか?
誰得?
七菜得か。
「あのベルト音声についてだよ」
「ああ、アレ?」
ベルト音声は僕が考えた。
変態に任せるのは怖かった。
どうせ変な音声にするのは知ってるから、僕が一から考えた。
一応、音声自体はオンドロイドを使った。
ボーカロイドっぽいアレだが、イントネーションまで完璧にやってくれる。
勿論だが製作は七菜氏である。
変態は仕事するな変態しろ。
で、音声が何だって言うのか。
七菜さんに視線を向ける。
七菜さんは立ち上がり、こちらに近付いてくる。
来るな変態。
「…」
「…」
いきなり首筋を掴んでくる。
そして、拳を作り…
「何であんなにカッコいいのさ!?個人的にはキュンキュンしちゃったんですけど!?」
「そっちね、安心したわ」
拳をブンブンしながら興奮を伝えてくる。
喜んでもらえて良かったですよ。
変態じゃあない人に喜んでもらえたらもっと良かったです。
「ねえアレ絶対売れるて、ねえねえ私が5000円でネットに流すから売っていい!?ダメ!?なんで!?」
「1人で会話してんじゃねぇよ変態」
「じゃあ良いんだね!?」
「だめです」
「ああああああああ!」
変態…。
興奮のし過ぎでテンション高くなってうひゃうひゃしてる七菜さんを見て、逆に冷静になりました。
個人的には売ってもいいとか思たけど、七菜さんに利益入るのは嫌なのでだめです。
だめです。
ダメです!
大事なことなので3回も言いました。
はい。
落ち込むな変態。
このあとも変態が泣きついてきたので追い払った。
しつこいぞ変態。
「…商品化は諦めるよ。うん。でもまだ諦めてないんだからね!?」
「どっちだ」
「変態!」
「自己紹介どうも。諦めろよ」
「ふえぇ…もうかえりゅぅ…」
変態さんが諦めた所で今日はお開きとなった。
全然話し合ってねぇな変態とじゃれてただけだわ。
ふえぇふえぇとか言いながら這って部屋から出ていく変態。
親から変な目で見られるからやめろ。
はよ行け。
「…軽蔑の眼差しを感じる…。もっと蹴ってくださいご主人様!」
「今までもこれからもご主人様になるつもりも蹴るつもりも無いが、お望みなら階段から蹴り落としてやろうかこの畜生め」
「ごめんなさいド変態でした」
「自覚してたのかお前…」
「これからは変態に控えます」
「もっと控えろ」
這いながらこちらを振り向く変態。
蹴るぞ。
蹴らないけど。
「…蹴ってよ!?」
「よーし頭出せだるま落としするぞ」
「新しい死刑宣告の仕方やめて!」
つーか心を読むな。
変態を睨んでいると、ふと七菜さんは遠くを見つめてこう呟いた。
「…こういうのって、良いよね。なんか、さ」
「変態要素がゼロだったとしたら憧れの生活だわ」
変態がいい感じに纏めようとしていたので皮肉を以て返してみた。
七菜さんはこちらを濁った目で見て嬉しそうに言う。
「要するに私がいなけりゃこの日常は成り立たないんだよね!流石七菜さんだね!」
「吹っ飛べ変態」
「ありがとうございます!」
ああもうペースが崩れる…。
日常ブレイカーたる七菜さんに付き合わされるのは本当に疲れる。
しかし、どこか楽しいと感じている僕もどこかにいた。
この日々が続けばいいのに、と。
そんな日々も七菜さんがまとめて壊すだろうけど。
明日もこの人に振り回される。
どう振り回されるんだろうな。
…なるべくなら、テーブルで座って話すぐらいがいいな。
ライダー編これにて終了です。
次回からクトゥルフ始まります。
クトゥルフはそんなに不知火のでざっくりって感じになります。
七菜「閃いた」
閃くな。