ライダー編 Ⅴ
いきなり書き方が変わるゥ!
上手く纏まらなかった気もしますがとりあえず投稿してみる。
戦闘シーン難しい。
某所。
「…さて。実験は終わったね。…相棒?」
腰まで長く伸ばした、艶のある黒い髪を持つ女性が呟く。
「そうですねそうですね…。つーか何が相棒だ、おまーに振り回されてただけやん?」
その視線の先には、気だるげな様子で女性の正面に立つ男性がいた。
批難するような視線を向けているが、女性はそれを受け、身を悶えさせて地に伏せる。
「んっふぅガチなその視線シュキイイイイイイイイイイイイイイイイイ」
突然発狂する女性。まるで昇天したかのように白目を剥き、足をガクガクと震わせる。
しかし、それはどこか芝居がかっていた。
男性はそんな女性を見て溜め息をつき、折り畳み式携帯のような端末を取り出す。
それは機械的な、しかしどこか神秘的なオーラを放っていた。
「やるんだろ?遊ぶなら遊ぶでさっさとしろよ…。時間的にも制限はあることだしよ」
「そうだね。まあ楽しませて貰おう…くくくー。くくくー。くははははー」
「小物…」
まるで機械のような棒読みで女性は笑う。
その表情はとても楽しそうであり、この状況、いやこの時間を心から嬉しく思っていることが分かる。
対して、男性は呆れを隠そうともせずに呟きを漏らす。
首を竦めてやれやれだと、伝えやすく、露骨に、見せつけるように女性へと嫌そうな顔を向ける。
それを見るや、女性はたはー、と苦笑する。
そして、男性と同じような端末を取り出す。
「…。じゃあ、やろうか。テストプレイってやつを」
「やるんならやるで、本当にはよ…。何回目だよこのやりとり…」
「ごめんね、楽しくってつい。今度こそ、本番だよ」
端から見ればかなり仲の良さそうな2人。
その2人の目から冗談の色が消える。
ふざけたような先程までの態度はどこへやら、女性は真面目な声と顔で男性に告げる。
「私達のライダーシステム、強化機構エクスマキナ及び強化機構マクシードの能力試験、性能確認は全て終了したよ。これで心配は無いね」
「ああ。考えられる最小の問題点も改善したんだ、大丈夫だろ。んで、ルールは?」
「各自の事前に採った一時間分の血液でブーストする、なるべく周囲に被害を出さない、血液補給は無し。あと、重症は負わせない。大丈夫だけどね。流石に…コンクリート割っても痛くないし傷つかないなら、ね?」
「だろうな。それじゃ、確認も終わったし…」
「…確認終わったもんね。じゃあ、これからは…」
女性は右腕に、男性は左腿に端末をセットし、血液の入った薄いガラスを端末に挿入する。
互いを見据え、同時にシステムを起動する。
「「全力で、殺らせてもらう!機構展開!」」
『認識。亜型起動』
『Roger,β elect-on』
そうして、テストプレイという名の戦闘が始まった。
2人の端末から赤黒い液体が流れ出し、全身にまとわりついていく。
それはさながら、血液のようであった。
全身を覆うその液体は次第に流動性を失い、姿が固定される。
女性は滑らかなフォルムに、男性はゴツゴツとしたフォルムになり、どちらともなく駆け出す。
お互いを見据え、拳を向けて、
『虚像乃顕現。的中、七割』
『Fake bullet.Form slasher』
2人の足が交差する。
「フェイントは基本、異論は?」
「無いね」
そのままの体勢で動きを止める2人。
女性は若干押されぎみな様子であるが、少ない力で対抗できる場所を正確に調整しているために、実力が拮抗しているように見られる。
女性は力よりも技術的なレベルを重視しているのだろうか。
「まあ何にしろ、試作品であり実験機と欠陥品であり完成品のどっちが強いかなんて私達の技量次第なんだけど、ね!」
「勿論そうだな」
先程まで女性だった、2人がアルファと呼ぶモノは、足に力を込めてヴェータと呼ばれたモノを吹き飛ばす。
宙で受け身をとりながら距離をとったヴェータが地面に足をつくと、そこにあったイキモノたちが活性化されて高速で成長していく。
それを横目に、ヴェータはアルファに迫り、飛び膝蹴りを食らわす。
アルファはヴェータに身体を当て、そのまま押し倒して押さえつけ、そのまま動けなくする。
ヴェータは抵抗を続けるものの、アルファが最低限の力かつピンポイントで押さえるために抵抗をやめた。
アルファは初めての戦闘に勝ち、嬉しそうな声をあげる。
「んっふぅー。勝てた勝てた。これならもう大丈夫だね」
「あぁー…ホントに何でそんな動けないポイントを知ってるんだろうね、アンタはよ…」
「え?…直感?」
「えぇ…」
アルファはヴェータの上で、左右に揺れながら喜びを示す。
ヴェータは少し…いやかなり呆れを示すような声を出してそれに答える。
「じゃあ、これで終わりだね。さてと、これから…」
「まぁ待て七菜さん?」
「…なんだい?」
アルファが戦闘を終え、ヴェータを解放しようとしたその時。
ヴェータが唐突に反応を示す。
ヴェータの筋組織が脈動するのと共に、少しずつ、少しずつ、ヴェータの馬力が上がっていく。
アルファの拘束を振りほどけるように。
ヴェータは抵抗を…いや、アルファが終わったと思っている戦闘を再び始めた。
アルファはその仮面の下で、驚いたような表情をし、そして楽しそうに笑う。
そうでなくては、と。
ヴェータは拘束から逃れて再び立ち上がり、アルファと対峙する。
「さて。ヴェータはパワータイプだということを忘れてたようだな」
「いやー、製作も調整も全てやった私が忘れるなんてね…。それだけ楽しかったのよさ」
「素だろどうせ」
「何故分かった…」
「顔に書いてあるぞ」
アルファはヴェータに言われ、思わず頬をぐにぐにと撫でる。
勿論、素顔には届いていない。
それを見てヴェータは顔を背ける。
恐らく笑っているのだろう、軽く肩が揺れている。
「実際にやるのは馬鹿だろ、衝撃も緩和されるわけだから感触ねぇし、な?」
「…うん。もう許さないぞーかーくごしろーうがー」
「はぁ…。第2ラウンド開始か。…悪くはない」
「「血の向くままに、汝を食まん」」
『認識。再凝血骨格形成準備開始』
『Awakening. Another insect dis-covered』
2人は端末に手を据えて声を認識させる。
搭載された集音機が波長を読み取り、更に放出された液体がその身体を包む。
全身に装甲が形成され、まるで昆虫のような外骨格が現れる。
『完了。初式亜型、形態、隠蔽形骸。展開終了。残存血液微量』
『Full-armed on. Change,form β-second-hurtful. The bloody volume is few』
2体の化物は再び踊り、食らうように互いを叩く。
どこか楽しげなその踊りは、いつまでも続くように感じられた。
アルファが穿ち、ヴェータが弾く。
ヴェータが刈り、アルファが反らす。
嗚呼、甘美なるこの痛みをもっと感じていたい。
いや、時に鋭いこの痛みを感じさせたい。
アルファとヴェータは互いを傷付けあい、しかし、時間は満ちる。
アルファの振るった右腕とヴェータの回した右足が交差すると同時に、2体を包む液体は崩れ落ちる。
制限時間の一時間を超えたのだ。
そこに残ったのは、2人の若い男女。
共に色々な場所に傷をつけているが、その瞳は互いの動きを鋭く観察している。
これで、終演。
『時間超過。解除』
『Time out. Melt off』
2人は獰猛な笑みを交わし、戦闘を終了する。
互いの傷を見て、からかいあう。
「ボロボロじゃねぇの…。満身創痍過ぎて親に何言われるか心配なんだが?」
「オデノ…イヤ,オマエモカラダガボドボドダ!」
「やめろや」
周囲を見渡し、先程よりも緑溢れるそこを確認する。
男性はホッと息をつき、腰を下ろして草を撫でる。
「余波のエネルギーで周りを活性化するのも憶測通りだな」
「私頑張ったっぽいー、褒めて褒めてー!」
「ご褒美に顔面に蹴りをあげよう」
「ご馳走さまですゥッ!」
「悦をやめろ悦を」
屈んだ体勢から蹴りを放つ男性とそれを顔で受け止める女性。
先程までの戦闘がまるで嘘のようにじゃれあう2人は、どこにでもいる男女であった。
やっていることは異端であれど、その心は純粋であった。
「…ふぅ。テストもしたし、帰ろっか」
「そうだな。二度は御免だが」
「楽しかったよね!?最後すっごくいい笑顔してたよね!?」
「お前を蹴るのはとても楽しかったぞ変態」
「ありがとうございます!」
「は?」
互いに言葉をぶつけながらも、2人はゆっくりと、共に家路につく。
恐らくこの2人はまたこんな風に戦ったりするのだろう。
その時は、どんな理由で戦うのか。
何を思いながら戦うのか。
誰を想って戦うのか。
それは、本人達にも分からない。
だが、分からなくてもいいのだ。
今を、全力で生きてさえいれば。
アルファとヴェータは一応まだ未完成なのでこれから名前とか色々変わるかもしれません。
とりあえずイメージはカブト。
七菜「殴り合うの楽しかった」




