ニューギニア島急襲ーー南十字星作戦 スコールの影から襲撃 2 ビアク島
ビアク島:アメリカ軍の現状
航空戦力:アメリカ第5航空軍
配備数:約350機
主な機種:
P-38L ライトニング / P-47D サンダーボルト: 広範囲な哨戒網を維持。
B-24 リベレーター / B-25 ミッチェル: 周辺島嶼および孤立する日本軍への爆撃を継続。
兵站の歪みと「遺産」
オーストラリア方面からの供給が途絶し、本国からの輸送船団も被害を重ねるなかで、アメリカ軍の作戦能力を支えているのは、かつてこの地に積み上げられた「膨大な備蓄」である。
ニューギニア島およびソロモン諸島の各地には、いまだ底の見えない弾薬、燃料、食料の集積地が点在している。アメリカ軍はこれら「既存の遺産」を食いつぶしながら戦線を維持しているが、補充の見込みが立たない以上、その防衛力は再び制海権を取り戻さない限り「一度限り」である。
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旗艦「長門」の作戦室で、堀切大佐は海図上のビアク島を指し、分析していた。
「敵は潤沢な『在庫』を抱えていますが、我々の潜水艦隊によってアメリカ本国の海上輸送路を封鎖しているため、新たな補給は出来ません。また、ニューギニア内陸は険しい山脈やジャングルがあり、基地間の輸送路はほぼ海上輸送しかありません。ビアク島、ホーランディア基地にある膨大な物資、その配分機能と拠点を粉砕すれば、敵は自らの重みで崩壊するでしょう」
「ここで問題なのは、ビアク島の有力な航空戦力です、350機を必ず無力化しなくてはなりません」
ビアク島、ホーランディア基地には物量は依然として山のごとく積まれている。だが、アメリカ軍が再び復活するためにその備蓄が機能する瞬間を日本軍は待っていることはできない。
さらに、ビアク島の地上を支配するのは、アメリカ第6軍の中核をなす精鋭、通称「ハリケーン」タスクフォースである。約3万人の兵力を擁するこの部隊は、第41歩兵師団を中心に、第34歩兵連隊や第186歩兵連隊などの強力な陣容で構成されている。彼らの最大の強みは、補給線が細りつつある現在もなお、過去の集積によって維持されている圧倒的な「重装備」と「火力」にある。
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陸上戦力:アメリカ第6軍(「ハリケーン」タスクフォース)
ビアク島のジャングルの過酷な環境下においても、M4 シャーマン中戦車およびM3 グラント中戦車は極めて活発に運用されている。これらを動かす燃料は依然として豊富であり、強固な装甲と機動力をもって日本軍の上陸部隊の前に立ちはだかる。
圧倒的な投射弾道
アメリカ軍の戦術を象徴するのは、後方に陣取る105mmおよび155mm榴弾砲の群れだ。潤沢な弾薬ストックを背景に、日本軍が各地で潜伏する洞窟群や陣地に対し、昼夜を問わず絶え間ない集中砲撃を浴びせている。この「火力の壁」こそが、守備隊の反撃を封じ込め、アメリカ軍の優位を揺るぎないものにしていた。
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旗艦「長門」の作戦室で、堀切大佐は地上軍のデータを指し、冷徹に付け加えた。
「アメリカ第6軍は、自慢の重火器を戦場で効率的に使うことで戦線を維持するだろう。だが、それらを生かす燃料と弾薬の集積地こそが、彼らの頼みの綱だ。しかし、それは使い切ってこそだ、相手が完全に体制を整える前に電撃的に基地の主要部を制圧できれば、3万の精鋭もただの遊兵に成り下がる」
ビアク島周辺の海域に存在するのはアメリカ第7艦隊(南西太平洋方面艦隊)の分遣部隊である。
ニューギニア近海において、日本海軍が組織的な水上打撃部隊を再編し、再び大規模な攻勢に転じるなどという事態は想定外であり、ニューギニア島、ソロモン諸島のアメリカ軍はフィリピンで太平洋主力艦隊の大打撃を受けて、ビアク島、ホーランディアの艦隊はその対応に追われていた。しかも、後方基地や浮きドッグの修理工廠と化していた軍港には魚雷艇や駆逐艦、軽巡洋艦しかない状態だ。
しかし、少数の海上戦力こそ警戒しなくてはならない。
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ビアク島の現有の海上戦力:第7艦隊(南西太平洋方面艦隊)
軽快艦艇と哨戒網
海域の警戒を担うのは、数隻の駆逐艦と巡洋艦である。これらは島嶼間に強固な哨戒網を敷き、外海からの不穏な動きに目を光らせている。また、入り組んだ海岸線や島々の影には、神出鬼没のPTボート(魚雷艇)が多数配備され、高速を活かした沿岸防衛の要となっていた。
兵站の動脈:揚陸艦隊
地上軍「ハリケーン」タスクフォースの膨大な物資消費を支えているのは、戦車揚陸艦を中心とした輸送船団だ。彼らは港湾施設を拠点に、ホーランディア集積地からビアク島へのピストン輸送を繰り返している。ビアク島アメリカ軍にとって、この海上の補給路こそが戦線を維持するための生命線であった。
日本軍はこれらの生き残りの魚雷艇、駆逐艦と巡洋艦が日本艦隊がビアク島上陸攻撃の隙を、反撃されるのを防ぐ必要がある。そのためには艦隊の艦載水上機が活躍するだろう。




