5話
OFUSE始めました。
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王都より書簡がやってきたという事で、私は父と兄に呼び出されていた。特に怒られることはしていない。という事は、あれだろう。査定官が戻って王都で色々とした結果が帰って来たんだろうな。勿論だが、その日に詳しく伝えておいてある。その時は特に何も言ってはいなかったがな。
流石に辺境伯の領地とは言え、馬車で10日もかかるのだから中々の大きさだろうと思う訳だが。件の災害現場までな。勇者たちには早馬を使わせた。だから17日という短期間で解決出来たわけだ。
殆ど最速に近いとは思うが、まだ早くしようと思えば出来る訳だ。早馬網を作りさえすればな。私が内務次長になって直ぐに取り掛かったのは、厩の増設だからな。
情報は武器だ。早ければ早いに超したことは無い。情報が早すぎて困る等という事はない。早ければ早いほど、仕事が円滑に進むという訳だ。
査定官が王都に帰って50日程が経過している。王都から通達が来たのだとしたら早い方だろう。予算の確保など、色々と仕事があるだろうからな。
今回の工事では5割を約束していただいている。満額出たのは大きな話だ。幾ら重要な街道とはいえ、良くて3割だと思っていたからな。査定官が常識的な人で良かった。
査定官に因っては色々とある。現にこの間の魔王災、私が査定に立ち会った方ではない魔王災では3割と渋られたそうだからな。こちらも内務課長を動員していったのだがな。
結局は査定官の財布がきついとこうなる。まあ幸いなことに、大きな被害では無かったのだがね。森が少し焼けてしまっただけだからな。そちらの魔王も討伐済みだ。
今、我がアンカリアス辺境伯領には3つの勇者パーティーがある。若いパーティーは街道の魔王災を片付けてくれた者たちだ。彼らには今後も頑張って貰わないといけない。
大体にして、1,2年に1人というペースで勇者は生まれてくる。そして、現役として戦えるのは40までだ。40歳以上になった場合は、軍の方に入隊してもらい、何かあったときの為に待機してもらっている。勇者は何故か、長生きな者が多く、70程まで生きるのだがな。
農民であれば50といったところなのだがな。勇者は長生きなんだよ。だからこそ、勇者は選ばれた人間なのだろうという実感も湧くわけだ。
現在の辺境伯領の勇者の数は32名。内15名が40歳以内の者たちだ。17名が軍に所属してもらっている。近々、その方々に無理をしてもらう様になるのだが、まだ作戦は通達されていなかったな。
解放作戦があるのだよ。勇者総勢17名による解放作戦だ。御老体にも鞭を打って頑張って貰わないといけない。我が領の大きな作戦だからな。
さてと、父の部屋の前に着いたか。見張りの兵に伝え、扉を開けて貰う。書記官の記録から内容を精査して送られてきているはずだ。そこまで齟齬は無い筈なんだがね。
「ユースタニス、参りました」
「ふむ、ご苦労。昨日王都から書簡が届いた。内容は概ね聞いていた通りだった。よくやった」
「勿体なきお言葉です」
「何故にペインモラン辺境伯が愚か者を出してきたのかは不明だが、此度は我らがアンカリアス辺境伯家にとって良い知らせであった。よくぞ言質を取ってきたものだ」
そう褒められても困るのだがな。言質を取ったのは取ったのだが、向こうが完全に失言を下だけなのだよ。まあ見逃せという方が可笑しな失言だったのは認めるが。
勿論ながら、工事は既に始まっている。この書簡が来るまでに、既に街道は復旧済みだ。今は関所の為の小屋を作っている所である。馬も飼わないといけないからな。
名目上は次回の魔王災の為の関所である。まあその予定でもあるのだがな。別の使い方もしようと思えば出来るという訳だ。まだ言ってはいないが、気が付いているだろう。
「私にとっても張り合いの無い相手でございました。まさか負担を無しにする代わりに主権を放棄するとは思ってもおりませんでしたので」
「普通はそうであろうな。今回は程々の所に関所を建てて、ペインモラン辺境伯に恩を売りつけることが出来たのだ。それは大きな手柄だ」
「ありがとうございます」
「しかしだ。流石に1割は負担させられなかったのか? 言質を取った後に何とか負担を迫れなかったのか? 1割でも出させておけば良かったものを」
それは言うと思っていた。思っていたが、向こうはそれでも出さないと言っただろうな。何をしても無駄だと思った。だからこその関所を活用するわけなのだが。
長期的に見てそちらの方が利があるのだよ。関所の本来の役割を果たしてもらえばいい。関所の本来の役割とは何か。関税をかけることである。商人に対して関税をかければ良いのである。
そうすれば、実質負担はゼロに近い。我が領で採れるものに鉄がある。鉄は例外を除いて我が領か別の領から買わざるを得ないんだ。それに関税をかけてやるだけでいい。
「向こうは負担無しを強く訴えていたもので。どうしようもないと思い、関所の方を作らせていただく様に働きかけました。本来であれば、ペインモラン辺境伯家に牽制をかけるだけで良かったのですが、こうなってしまった以上は関所として機能させざるを得ますまい」
「やはり関税をかけろと言いたい訳か。私もそれを考えていた。長期的にみれば、我が領の負担はゼロになろう。しかしだ。商人の半分は我が領のものだぞ? それをどうする?」
「我が領の商人には通行証を発行し、売ればよろしいかと。一時的には負担になれども、そちらも長期的にみれば、負担は軽微なものになります」
「なる程な。通行証か。ロバートはどう思う?」
「合理的であると考えます。商人の中にはこれに幸いで居を移すものがいるかもしれません」
だろうな。特に小規模でやっている商人程、拠点を我が領に移す効果がある。大規模にやっているところは、そもそも他からも利益がたっぷりとあるだろうからな。
多少の関税ごときで居を移すまでには至らないだろう。商人は領土の血流だ。商人の数が増えれば増えるほど、我が領が発展していく。それはとても良いことだ。
「ではそうしよう。証明証の発行はロバートに任せる。ユースタニスには現地の確認を任せる。関所の進捗を確認して参れ。報告は以上だ」
「「解りました」」
では、出張の用意を。現場監督官として赴かねばならなくなったからな。明日からは現地視察だ。30日程見ておけば良いだろう。その頃には関所は完成しているはずだからな。