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勇者の後始末  作者: ルケア
4章

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31話

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「……だから新人を1人で行かせるのは反対だったのだ! この議事録ではどうしようも無いではないか! 後5日も待てば良かったはずなのに!」


 とある王都の財務担当が吠える。魔王災を担当していた査定官と現地の貴族家とのやり取りの議事録を見て、完全にブチ切れていた。渡したのは書記官だが。


 何のことは無い。魔王災で査定官が派遣された。そして査定を行った。これだけなのだが、財務担当にとってはこれ以上ないほどの出費なのだ。


 そもそもだが、財務担当は魔王災についての国庫補助を出すのを反対している。魔王が攻めてきた。それは解る。だが、魔王災とは実質勇者が地形などを破壊したに過ぎないのだ。それの補助を国がやるなんて馬鹿なことは止めるべきだと思っている。


 国の予算とて、無限ではないのだ。通貨を発行すれば、無限の様に出てくるかもしれないが、通貨の価値が下がり過ぎる。財務担当としてはそれを良しとしない。


 外国との取引もあるのだ。その時に通貨が下落していては目も当てられない。価値が低いと見られるという事は、国の格が低いとも取られかねないのだ。そんな事は良しとしない。


 あくまでも、この財務担当の頭の中では、である。財務担当が皆同じ考えではない。だが、今の財務担当の頭の中はこのような感じだ。国庫はみだりに使うものではない。そう言う考えの持ち主だ。


 ところが、次期王は魔王災に対して積極的に動いている。色んな所の魔王災について、査定官を派遣しているが、その回転を早くしろと仰せの事なんだ。それは、人員的に足りない。


 査定が出来る官僚は30人40人と居る。居るが、毎月何件も魔王災が起きるのだ。そもそも査定官が魔王災に対して足りていないのだ。だから派遣するのにも60日程度かかってしまう。


 単に辺境伯家が遠いからという理由ではない。確かに遠いが、馬車を使えば30日程度の往復で済むのだ。向こうが早馬でやって来れば、もっと期間は短縮できる。


 人が居ればの話だがな。人が居ないのだから仕方がない。どうしても待ち時間は必要になる。それに魔王災が重なるときもあるのだ。そういう時は仕方が無いのだよ。


 今回も魔王災が重なった時だった。故に各方面に魔王災の査定官として、官僚が出向いている。今回の報告書を上げてきた辺境伯家にも、他に5件の魔王災で査定官を派遣している。


 そんなところに次期王の命令が下った訳だ。回転を早くしろ。無理だ。どう考えても無理である。であればどうするのか。人を増やすしか無い。査定が出来る人間を雇わねばならない。


 雇うのは簡単である。募集をかければいいだけだ。貴族でも余っている次男三男は多いのだ。もっと居るところもあれば、次女三女が余っている場合もある。


 官僚として雇うのは男女を区別しない。何方でも良いという考え方である。ベッキンセイル王国は男女の格差がそれ程でもない。無いとは言わないが。女性の方が離職率が高いからな。


 どうしても結婚となると、女性が戦線離脱することは多い。多いが、それでも仕方が無いと考えている。子供が増えなければ、王国の未来が無いのだから。


 男性が子供を産めるのであれば違うのだろうが、残念ながら、子供は女性にしか産めない。故に女性の離職率は高い。結果、男ばかりが残るという事もよくあるのだが。


 そして、査定官の数を倍以上に増やしたのだ。次期王の命令だ。なんとかして新人をかき集めて来た。そして、教育係として、1人に1人のベテランを付けて教育していたのだが。


 魔王災が重なり、査定官がどんどんと王都を離れていく中で、新人だけが余っていた。それもそうだろう。倍以上に増えたのだから。1人に2人付けたところで査定は早まらない。


 次期王が新人でも良いから行かせろと言ってきた。はっきり言おう。正直な所、この財務担当は次期王がかなりの愚か者だと思った。そう思うのも無理はない。


 査定官も新人。書記官も新人。止めるだろう。普通は行かせない。だから責めてベテランが帰って来るまで待っていたのだが、鶴の一声で新人を行かせることになってしまった。


 その結果が、あの吠え方である。まあ無理もない。通常査定では見れない所まで予算化してしまったのだから。流石に財務担当が誰であれ、切れても良い案件だ。


 堤防工事が5割の国庫補助。これは良い。慣例通りだからだな。嫌だとは解っているが、慣例通りならば仕方がない。出すほかないんだ。それは解っている。


 だが、整地の方は国庫補助の割合を下げるべきだっただろう。2割でもいい。それでも出し過ぎだと思う程である。問題は範囲が決められていないことだ。


 魔王災の範囲が詳細に決まっていない。これでは通常の整地作業ですら予算が取られてしまう。どういう所としっかりと明記しておかねば、後で申請を突っぱねられない。これは不味い。


 さらに不味いのが、浚渫の国庫補助を見たことである。浚渫はそもそも魔王災の対象外である。何処までが現況なのかが解らないのだから当然の事なのだ。それを無視している。


 いや、貴族家の方は解ってやっている。新人が来たから吹っ掛けてみようか程度の感覚だったことだろう。それに国庫補助を出した方が問題だ。知識不足である。


 次期王のせいだと完全に決めつける財務担当。概ね間違っては居ない。査定官を、新人の査定官を向かわせろと指示をしたのは次期王だから。これは見切りを付けても良い案件だとは思う。


 財務担当は、完全に次期王に見切りを付けた。今後の指示には従うように見せて抗っていこうと決めた。まともな案件以外はなんだかんだ言って切り抜けようと心に誓った。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 回転を上げろというのは支持固めのために査定速度をアピールしたかったのだろうか?
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