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勇者の後始末  作者: ルケア
5章

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32話

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 例年の事ではあるのだが、何故簡単に河川の水位が上がるのか。それは春先のいつもの事ではあるのだが、毎年、この時期になると、暴風雨がやってくる。言ってみれば、台風だろう。


 実際には、台風なのかは解らない。衛星で見たわけでは無いからな。現実には違うかもしれない。だが、春になると風と雨が大変な事になるのは変わりがない。


「今年は何事も無い事を祈っているのだが。何事もないでは済まないのだろうな。また、現地に役人を大量に送り込まなければならないのか」


 単純な事である。春先とは、すなわち種まきの季節。今年も例外なく暴風雨がやってきた。これが終われば、しばらくの間は、天気が安定する。その時期が種を蒔く時期なんだよ。この時期に種を蒔かなければ、秋の収穫に間に合わない。


 間に合わないのだが、これが無理な状況がある。そう、農地への災害が起こった場合だ。今回は魔王災ではなく、普通の天災だ。天災に関しては国庫補助が厚く盛り込まれることになる。


 天災はどうしても避けられないからな。魔王災も避けられないのだが、どちらかと言えば、勇者が壊すことの方が多いのだ。それを理由に国庫補助を受けようとした過去の偉人たちは凄いのだよ。


 現に魔王災として、国庫補助が出ているのだから、結果を出していると言える。その交渉は凄まじいものであっただろうと思っているのだが、まあそれは良しとしてだな。


 天災の災害復旧にも国費は降りる。むしろ、天災による災害復旧の方が国費が降りるのだ。魔王災という考え方が無かった時代からの取り決めだ。それはそれは手厚い補助だ。


 何と最大で9割5分の補助が見込まれる。まあ、そこまで見て貰える事なんぞ、殆どないのだがね。しかし、大体は8割程度の国庫補助を貰えている。それ程農業には力を入れているのだ。


 何せ、食べ物が無ければ、人口は増えないのだからな。人口が増えなければ、勇者も増えない。それは当然の事のように思われている。実際、その通りなのだが。


 勇者は何年かに1度というよりは、子供が何人産まれたら、その内の何人かが勇者だったという方が多いと思う。国としては、年間、勇者が5人から10人は産まれていると思われる。


 それが、どの領地で産まれるのかが解らないだけだ。当然ながら、子供が多い方が勇者を多く輩出する。それはその通りだ。現に我が辺境伯家では、2年に1人くらいのペースで産まれている。


 辺境伯領は人口が多いからな。伊達に広くはないという事なのだよ。土地の使用効率は悪いのだが、それは全て、外敵、魔王から領地を守るため。こればかりは仕方が無い事なのだ。


 その分土地は余っている。土地が余っているが、見回りはしっかりとしないといけない。その辺は冒険者の仕事でもあるので、彼らに任せる事もある。


 と言うか、基本は冒険者に依頼をして、管理をしてもらっている。後方にいる冒険者も多くいるのだ。最前線だけが、花形ではない。後方の管理もしっかりとした仕事なのだ。


 ところで、此度の暴風雨はどうかと言うと、概ね例年通りであると考えられる。特別に規模が大きいのでなければ、河川の氾濫もしないで済むだろう。浚渫も間に合った事だしな。


 間に合わせたという方が正しいのだが。間に合わなければ、水害が起きるのだ。それを許容できるはずもなく。水害は起こさない方が良いのだ。起きれば、大規模災害になるからな。


 大規模災害になれば、食糧の供給が遅れてしまう。それは許容出来ない。食糧難が一番怖いのだ。人口が増えないと言うのが、一番困る事なのだよ。それは勇者が産まれないからだな。


 この暴風雨がどの位の規模の災害を引き起こすのか。それによって色々と変わってくるんだ。収穫時期が1か月は遅れる可能性がある。流石に1か月の余剰食糧を貯め込んでいる町は少ない。


 まあ我が辺境伯領では、1年分の備蓄を貯め込ませているのだが。これは、何時いかなる魔王災がやってこようとも、耐えられるであろうという数字になっている。


 だから、代官屋敷には、大型の貯蔵庫があるし、干し野菜などの、加工品や、漬物などの保存食も沢山用意してある。だからこそ、多少の自然災害でもびくともしないのだがね。


 かといって、放置も出来ない。この時期の災害で、一番多いのが、農地災害だ。その次に多いのが、住宅地の災害だ。これらの修理代金を全て辺境伯家で見るのは大変な事なのだ。


 だからこその国庫補助ではあるんだが。国から支援金がやってくるのである。ただし、慎重な設計額を提出し、且つ、速やかに工事が行われなければならない。


 査定官が厳しければ、災害と認めてくれない場合もあるし、資料の作成のし直しもよくあることだ。特に、秋口に採用した職員の大きな仕事の1つがこれである。


 まあ毎年のお馴染みの行為な訳だ。慣れた者については何も心配はしていない。慣れてないものが大変な目に合うのは仕方が無い事なのだよ。


 自分に任せられる初仕事が、この春先の災害復旧だという者が大半を占める。今年も沢山の人材を採用した。その者たちの試練である。私も参加は決定なのだが。


 まずは、暴風雨が収まってから、何処に誰を派遣するのかを決めなければならない。早馬で、約15日で現地を回るのだ。そして、査定の資料を作る。それを査定官に提出する。


 今回は、現地での査定は無しだ。机上査定と言い、あくまでも役所の中で行うのである。流石に全ての現地を回れるほどに、査定官は暇ではない。


 査定官が他の領地からやってくるまでの時間は、凡そ60日。それまでに査定の資料を作らなければならない。数百件で済めば良い方だ。数万件がザラである。


 それだけの資料を確認しないといけないのだから、査定官も大変な仕事だ。結果的に、一律何割としていけば良いものを、全ての資料について、何割と決めていくのだから恐れ入る。


 そうだな。アンカリアス辺境伯家にやってくるのは、毎年の事ではあるが、8人やってくる。その人材が、5日間缶詰になるのだ。それで仕事の量が計れるだろう。今年はどうなるだろうか。

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