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神様!お願いします!  作者: ハロ
三章 生きるか死ぬか
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22話 神様!女の子の買い物に付き合うのは大変です!前編

綺麗に敷き詰められた石畳を、馬車が通る。城から城下町まで直線で約1キロ程度だ。途中、川が流れており、橋を通過する。馬車はガタンガタン!と何渡も振動でズレた。車輪は木製で、段差を吸収出来なかったからだ。


「くぅ!お尻痛いですね!」


「そうですね。馬車はこんな感じですよ。ハオは乗った事ありませんの?」


「平民が贅沢言うな!最高級の馬車なんだぞ!他の馬車だったら、もっと痛い!」


「ふーん。足回りに強化スプリング使って、ベアリング噛ませば衝撃なんて、楽々吸収出来るのにね」


「ハオ、それ以上言うと、ミネアの頭が爆発しますわ。で、そのスプリング?とベアリング?を取り付ければ、乗り心地は良くなりますの?」


「衝撃や振動って、どんなに強固に作ってもダメなんです。硬くしても、衝撃で壊れる。だから、拡散させる、もしくは吸収させる構造にするんですよ。地震って揺れますよね?頑丈に家を作っても壊れてしまう。だから、揺れた時のエネルギーを拡散出来る様に、散らせる様にするのです」


プスプス。


あ!ヤバイ!ミネアさんの頭から煙が!これ以上は危険だ!


「ミネア!大丈夫ですか?」


「・・・」


「どうぞ」


僕は紅茶を取り出し、コップへ注いだ。

無言でミネアさんは受け取り、上目遣いでコップに口を付ける。くぅ!可愛いぞ!


惚けてると、マチルダ様が腕を絡めてくる!?胸が当たってますから!!その状態で耳元で(さえ)ずるの止めて!


「あ、ぅ」


「ハオは耳が弱いのですね♪」


「ひぎゃ!?」


足が!?足がぁ!?グリグリするのは止めて!


馬車は城下町に到着する。

かなり栄えている街並みだ。ヨーロッパの石の家の光景を思い出す。通路にはテントが至る所に張られており、そこには沢山の商品が並べ替えられている。


貧しい人はそこで購入し、お金がある人は、建物の中のお店で購入する様だ。


風情(ふぜい)ある建物が並んでますね。石の家かぁ。中に入るのは初めてだな」


「ハオは建築の知識も持っているのですね」


「あ、はい………ほんの少しだけ」


僕は人差し指と親指で、少しだけ隙間を開けた。少しの知識はあるけど、どうやって建てるとかは持ち合わせていない。この異世界にセメントはあるのか不明だしね。魔法を使っているのかもしれない。


「では、参りましょう♪」


「「はい!」」


僕は今、後悔している。

買い物が長いのは知っていた。嫁の買い物に、何時も付き合わされていたからだ。歩いていたら、突然居なくなる。携帯電話を鳴らしても気が付かない。商品を選ぶのに1時間はかかる。


僕は買い物で迷う事は無い。

必要か、不要かだ。手に取り、迷うって事は不要なのだ。必要ならば、値段を見ずにカゴヘ入れるだろう。5秒あれば判断出来るからね。マンション購入も、1日しかかからなかったし。まぁ、それはそれは親に怒られたけど!


でも、買い物で待たされるのには慣れている!だけど、これは一体どういう事だ!?この僕が後悔するなんて!?


「ハオ!次はこれを試着♪」


「うーん。ハオはこのキリッとしたカッコいい服をだな………似合うと思うぞ」


「ハオさん!お似合いですぅ!」


僕は着せ替え人形となっていたのだ!

止めろ!ええい!恥ずかしいじゃないか!ミネアさんも助けてくれないんだよ!フローラさんもノリノリで、マチルダ様はグイグイ押してくるし!


「これとこれとこれ!買って店を出ましょう!」


「マチルダ様。これ等、如何ですか?」


「まぁ、まぁ、まぁ!素敵です!」


おい!店主!倉庫から服を持って来るんじゃない!

そこの店員!!カタログ勝手渡すなぁ!!!


ーー2時間後


「………好きに………して」


「ハオはどれも似合って、困りますわ♪」


「マチルダ様。そろそろお昼にされては如何でしょうか?」


「私もそう思ってましたぁ」


「そう………ね。ハオの手作りお弁当ですものね!」


「助かった………」


広場にシートを引いた。

噴水が目の前にあり、綺麗に石が敷き詰められたている。ベンチがあれば良いのだが、維持出来ないから設置しないらしい。でも、色とりどりの木々が植えられており、目移りしてしまう。


4月だったら、桜も咲くのかな?と思うが、この異世界に桜は無いそうだ。しかし、美しい花を咲かせるな。名前は解らないが、気になる木だな。この木なんの木の歌を思い出す。歌のタイトルも合っているか不明だが。苦笑してしまう。


「マチルダ様、サンドイッチです」


「まぁ、面白い形てますわね♪」


「何だか不味そうだな」


「お腹の辺りが膨らんでてぇ、具が沢山ですねぇ」


「不味そうなら、食べなくていい!因みに、サラさんとスミスさんには好評だったんだ!いらないなら僕が食べる!!」


「ああ!!??僕のだぞ!勝手に取るな!旨そうです!旨そうですからぁ!!ハオ!な!?ちっ!何でサラとスミスの名前が出てくるかなぁ」


何が"ちっ!"だ!僕はマチルダ様にハムサンドを手渡す。そして、フローラさんにはジャガイモベーコンサンドを手渡した。


ハムサンドを手に取り、あーん!と大きく口を開けると、ミネアさんが涙目になっている。うーん。流石に可哀想だ。


「………ほら」


「いいの?」


「………ミネアさんにも………食べて欲しい……から」


うるうると、ミネアさんはハムサンドを受け取った。

はぁ、まぁ、いいか。特製ポットを取り出し、コップに紅茶を注ぐ。勿論、マチルダ様に飲んでもらう為だ。


「マチルダ様、どうぞ」


「丁度、喉が渇いておりました。ありがとう、ハオ♪」


ニッコリと微笑むマチルダ様を見て、僕は癒された!

僕もハムサンドを口にする。うん!旨い!作って良かった!


「ハオ!このソースは何ですの!?」「………美味しい」震え声「このジャガイモベーコンサンドぉ、美味しいです!」


「マヨネーズですけど、何か?」


「マヨネーズ!?」


「ああ、僕が作りました。お口に合いませんでしたか?」


「そんな事ございませんわ!美味しいです!この深いコクと味わいは何!?あと引く酸味が堪りませんわ!ねっとりとした舌触りがまた良いです!!」


「ははは。それは良かった」


ふと、ミネアさんを見る。

マチルダ様とフローラさんは美味しそうに食べている。だけど、ミネアさんだけは固まっているのだ。どうしたのだろう?もしかして、体調がすぐれないのか?


「ミネアさん?」


「…………れ…………だ」


「へ?」


「全部くれ!全種類だ!」


「ひゃ!?」


僕からバケットを奪うと、玉子サンドとジャガイモベーコンサンドを取り出した!右手に玉子サンド、左手にジャガイモベーコンが。交互に食べ出す!ミネアさんてこういうキャラだったか!?


「美味しい!美味しいよ!この玉子サンドにも、このソースを使っているのか!?」


「ええ。ジャガイモベーコンサンドにも使ってますよ」


「ほぇえ。私も玉子サンド欲しいですぅ」


「はい。どうぞ」


バアッと笑顔になるフローラさん!もう可愛い!!全部あげちゃうぞ!


こうして、サンドイッチは全て無くなった。

3リットルは用意した紅茶も空だ。帰りは何か飲み物を買って帰らないいけないね。


「では、買い物の続きを!」


「次はアクセサリーだな!」


「いえいえ、帽子ですぅ!」


「はぁ!?」


帰らないの!?僕は立ち尽くすしかなかった。

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