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リリカシア=アジャ-アズライアの日記  作者: 真夜中 緒
龍の島 街道編
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百三日目

 朝食に昨日の雑炊を温め直すのに、焦げないように水を足した。結果的に量が増えた。さすがに更に夜まで取っとくのはどうかと思ったし、頑張って食べきったけど、朝からお腹がたぷんたぷんになってしまった。これから雑炊を作るときは量に気をつけようと思う。

 朝、晶屋から出るとちょっと肌寒かった。

 暖かな雑炊で身体を暖めて歩き出す頃には、風もかなり温んでいた。山の稜線をゆく道は木立が切れるとかなり暑い。遮るもののない日光にじりじり照りつけられるからだ。砂漠や草原のように乾燥していないので、身体が汗で濡れがちなのもちょっと辛い。

 気をつけて、少しづつ水を飲みながら歩く。水が足りなくなると辛いので、水はしょっちゅう竹筒に注ぎ足す。龍の島は水に恵まれているようで、井戸や水場があちこちにあり、この点に困ることはない。

 足は結構痛いけど、起きたらちょっとましにはなっていた。ある程度歩き慣れるまでは、寝るときの湿布は欠かさないようにしよう。

 お腹はたぷんたぷんだし、足も痛いので道の捗りは悪かった。

 なんとか頑張って十八番までたどり着いたけど、そこから十九番までは急な下りで道もあまり良くない。考えて、今日はここまでにしてしっかりと休むことにした。

 大部屋の隅をとり、衝立をしっかり固定する。

 あとは目立たないように気をつけていれば、たいていは連れのある他の旅行者は無理に関わっては来ない。

 晶屋で足に湿布を巻いて横になり、昨日と同じようにそのまま寝てしまった。

 違ったのは起きるとちょっと騒動になっていた事だ。

 宿に上がるときに足を洗ってくれた女中が、足を痛めてるのに気づいて心配してくれたようで、様子を見に来てくれたらしい。

 そうすると、衝立は動かないわ覗いても姿は見えないわで、心配させたようだ。足を洗えば当然私の性別にも気づくので、そこも心配の種になったのだと思う。

 なんとかごまかしたけど、せめて手荷物ぐらいは置いてそれらしく見せておかないと、不審がられるのがよくわかった。

 夕食は宿で作ってもらった。

 茸の汁と麦の混ざったご飯と青菜の漬物。

 肉っ気も魚っ気もなかったけれど、それなりに美味しかった。

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