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序幕





愛は嵐を見つめながら揺るぎもせず

いつまでもしっかりと立ち続ける燈台なのである


シェイクスピア

『ソネット集』より









―――1997年


12月24日




『なぁ由佳里……。小さな恋のメロディって映画知ってる…!?』




揺れるキャンドルの灯火が、まるで幻想的に二人を包み込んでいる部屋で、まだ中学生ほどの幼き男の子と女の子が、クリスマスに愛を誓いあっていた。



その部屋は、女の子の方の部屋らしく、辺りには可愛らしいヌイグルミが飾られていた。




――小さな恋のメロディ!?




女の子は、不思議そうに男の子に問うた。




『うん。その映画ってさぁ…小学生くらいの男の子と女の子の恋の話なんだけどね……オレすっげぇ感動したシーンがあるんだぁ…』




―――どんなシーン!?




『ある日二人は、【50年間妻を愛した】って墓碑に彫ってあるのを見つけて読むんだ……。』



―――………




『そしたら女の子が方がさぁ……、50年も愛せるのかしら!?って男の子に聞くんだ。』




―――そうよ…そんなに愛せる訳ないわ…。




女の子は無邪気に笑っていた。




『…………』



『でもな……まだ幼ない男の子は自信に満ちた表情で、その女の子に言うんだ。キミなら愛せるよってね。』




―――………。




『なぁ由佳里……。オレも……由佳里なら…50年先もきっと愛してるって自信もって言える。』


『約束するよ………。50年先のクリスマスも、こうやって二人でこのメロディに包まれている事を………。』



『メリークリスマス』



男の子は、ポケットから、そっとオルゴールを取りだし開いた。




ビージーズの『若葉の頃』が繊細なオルゴールの音となり、幼き二人の恋を優しく包み込んだ。












ドワッシャ――ァァアアン!!




急に、二人の幸せな時間を邪魔するかのように、女の子の母や父がいる1階のリビングからもの凄い音が聞こえてきた。




驚いた二人は、リビングの部屋の様子を見に行こうと、自分たちがいた部屋の扉を開けた瞬間身動きができなくなった。




―――!!!




なんと下のリビングは、燃え盛る火の海となっているのだ。



家の柱は、真っ赤に染まった炎を吹き出して、物凄い音を立てて崩れてゆく。









―――イヤァァァアア!!




悲痛にも似た少女の悲鳴も、炎により崩れ落ちるそこいらじゅうの壁や柱によってかき消される。




幼き二人は、迫りくる炎から逃れるため、玄関へ一気に走り抜けようと、二人で手を強く握り合いリビングを見下ろした時だった。




メキメキと嫌な音を立てながら、周りの物を燃やし続ける炎の中に、不気味にカメラを握りしめた一人の男が立っている影が見えた。





――long and deep

       X'mas――

詞 川嶋あい



長い長い夜が来たね


街はイルミネーション


紺色の空に照らされた


幾つもの願いたちよ


舞い降りる天使のように


そっと冬が輝く


恋人たちは灯火を


待ちわびて帰らない


白い雪が告げる一夜


どんな奇跡が訪れる?


ベルの音が鳴り響く街に


君の瞳は七色で


そっと揺れるよ


思い出のキャンドルライト


いつか夢見た


2人だけの世界は



long and deep X'mas



どうかもう少し


昇らないで朝日よ



long and deep X'mas


and white X'mas







こんにちわ☆

あいぽです

さぁいよいよ始まりました『クリノベ2007』

この物語は、あいぽ初の本格ミステリーへの挑戦です!!

読み進めて行く程に、主人公の由佳里の周りに様々な登場人物現れて謎が交錯してゆきます。

全ての謎は、12月24日に解けるのですが、物語の謎を解くヒントは、あいぽが大好きな川嶋あいさんの『long and deep X'mas』の歌詞に隠されてます。

なんとこの歌詞の全てが、実は………!?(笑)


12月24日クリスマスイヴまで、是非是非お付き合いの程をヨロシクお願いします


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