不意の転落と、赤髪の少女
初投稿です
不可解な点がありご指摘くださると嬉しいです
ある秋の山中。弓矢を携えた一人の少女――照道雫は、熊を狩ろうとしていた。
「……すぅ。……はぁ」
感情の読めない瞳で、静かに呼吸を整える。引き絞られた弦が放たれた。
ヒュッ、と鋭く風を切った矢は、狙い違わず熊の脳天を正確に貫く。ドシン、と地響きを立てて巨体が地面に倒れ伏した。
「……よし。大物」
熊が完全に絶命したのを確認し、雫は小さく、本当に小さくガッツポーズをした。
「……そういえば。持って帰るには、大きい。ここに、隠さないと」
ぽつりと呟いた彼女は、愛用の弓をそっと地面に置いた。代わりに背負っていたシャベルを手に取り、せっせと地面を掘り始める。
しばらく掘り進めると、ガチリと急に硬い手応えがあった。けれど、雫は特に気にせず、おとなしく掘り続ける。
すると、いきなり足元の地面が、不自然なほど脆く崩れ落ちた。
「……あ」
短い声を漏らす暇もなく、ぽっかりと空いた大きな穴へ、雫はそのまま真っ逆さまに落下していった。
激しい落下の衝撃の後、雫は痛む体をさすりながら、ゆっくりと起き上がった。
「……いたい。……ここは、どこ」
周囲を見渡す。そこはまるで、果てしなく続く洞窟のようだった。不思議なことに、どこにも光源は見当たらないのに、なぜか全体がほんのりと明るい。
「……不思議な、場所」
雫が小さく首を傾げていると、すぐ近くに自分の弓が落ちているのを見つけた。
「……あった。よかった」
急いで駆け寄り、愛用の武器を拾い上げる。
「……弓、無事。矢は……、二、三……うん、三十本。これだけあれば、大丈夫」
弓の状態と矢の数を確認し、雫がホッと小さく息を吐いた、その時だった。
「きゃあああーーっ!?」
突然、洞窟の奥から、鋭い悲鳴が響き渡った。
「……っ」
雫は考えるよりも先に、足音を消して声のする方へと走り出していた。
たどり着いた開けた場所。そこにいたのは、今にも折れそうな剣を握りしめる、赤髪の少女――朝霧澪だった。
(……人間。女の子)
雫が無表情のままそう認識したのも束の間、彼女が複数の巨大な狼に囲まれているのが目に入る。
「……危ない」
雫は迷わず弓を構え、流れるような動作で即座に矢を放った。
――ヒュッ!
激しい風切り音とともに、一本の矢がまっすぐに空を裂く。
それは澪の目の前で牙を剥いていた狼の眉間へ、寸分の狂いもなく突き刺さった。
「……え? うそ、マジ!?」
最後まで見てくださってありがとうございます
一様まだストックが少しありますが投稿するかはわかりません
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