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9話 『任せた=責任も取れ』という上司が増えた

書いてみると書き手の皆さんの凄さが解ります。

《現実》運営視点


「各村の発展状況はどうだ?」


部長はトナアオの記録的ヒットにご満悦なのだろう。そんな細かい事は過去作では気にしたこともない癖に。


「部長、想定通りです。最初のガチャによる差はありますが、進んでいる村でも他の村に攻める様な力はありません。各村は同盟を組んでいます」


リーダーの木村が手に持った紙を確認しながら答える。

木村さん、それは只の進行表です。把握していて当然ですという顔も胡散臭いです。


「では予定通り明日イベント決行だな」


「承知しました。今から告知を出します。今は村作りが主体なので文官が有利ですが、このイベントで武官と文官の差が詰まると思います。それと部長、残りは私やチームでやりますので、今日は早くお帰りになって下さい」


「木村くん、ありがたいが私もチームメンバーのつもりなんだがね」


何この茶番。昭和か!今は平成を超えて令和だし、部長はいつも早く帰ってるよ。


「部長、ではチームリーダーとして言います。今日は残業なしです。みんな家族や恋人と、あるいは自分の好きな事をして過ごす様に。イベント開始の明日からは地獄かもしれないからな」


木村さんのウザさが限界を突破しようとしている。


「木村リーダー、了解した」


部長が満面の笑みで部屋を退室した。クドイ劇、観覧に忍耐が必要だ。


「木村さん、やりましたね」


メンバーの一人が声をかける。

周囲も毒されたか。恐るべし木村ウイルス。


「みんな聞いての通りだ、今日は残業無しで全員退社する様に!」

木村リーダーの言葉にメンバーが喜んでいる。


「リーダー、ひとつだけ問題があります」


言ってしまった。空気が読めないとはよく言われるし、自分でもそう思う。


「香村、今日は聞きたくない。明日にしてくれ」


木村リーダー、明日やろうは馬鹿やろうです。

部長に言った手前、今更問題ありとは言えないだろうが。


「では、明日申し上げます」


そして私も馬鹿やろう・・。


「香村どうしたんだよ。何か見つけちまったか?」


隣の席から井本さんが聞いてくる。


「開発の時に、私達が作ったテストキャラが結構いましたよね」


「お前が作ったムースカ好きだったよ」


「そうなんですか、ありがとうございます。そのムースカ達、ゲームに出ちゃってます」



《ゲーム》


「カスミ、大変だったな」


可愛すぎる転校生として、授業時間の合間や昼休みには大勢に囲まれての質問攻め。人見知りのカスミにはキツかったな違いない。


「ありがとうございました」


ペコリと頭を下げるカスミ。


「俺は何もしてないよ。そのお礼はシンジに伝えとく」


したのはしたんだけどね。

『そんなに質問ばかりするなよ』とシロウが言っても全く効果がない。効かない相手への即死呪文の様に虚しい。明日から神官の格好してアリーナを探しに行こう。


それに対して『香澄さんが困っている様に見える。緊張しているだろうから、ゆっくりと慣れてもらおうよ』真司の言葉は、神様へのチェーンソーの様に効く。


「それでもありがとうございました」


顔を上げた時のカスミの笑顔。強烈だ。

笑顔=俺の事好きなの?と思うほど俺はチョロくない。でももう好きになりはじめているかも知れない。


「二人の仲が良い様で良かった。損得の結び付きだけでは同盟といっても弱いですからな。さて、お二人はインフォメーションを読みましたか?」


「俺は読んだよ、カスミはどう?」


「すみません。読んだのですが、簡雍さん説明してくれませんか?」

丁寧な説明ではあったが、ゲーム初心者のカスミには解りにくいのだろう。


「そうですね。わかりやすく言うと野盗退治です。前にも野党が来ましたが、今度は野盗の砦が近くに出来ます。同盟した村、私達でいうとシロウ殿の村と協力して、村を防衛するか野盗のボスを倒せば勝ちです」


「攻めた方が良いのですか?褒賞が出ると書いていました」


「砦を落とす方が難しいですから。村を守るだけならば罠を張ったり、防御柵を作るなど準備が出来ます。それにボスも砦から出てきません。砦に攻め入りボスを倒すのは純粋に強くないと無理ですからね」


「簡雍殿はどうしたら良いと思いますか?」


「私が関羽や張飛であれば攻めるのが良いでしょう。つまりはムースカ殿次第です」


「私次第か!良い響きだ。要は盗賊のボスを倒せば良いのだな、大船に乗った、いや戦艦大和に乗ったつもりで期待しろ!」

大和沈んだだろ・・。


評価を何卒ー

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