第十五話。シャルという少女。
お久しぶりぶりです。
一緒に現実逃避しませんか?
「アオイ!お昼どうするの?」
わっ!!と後ろから飛びかかってきたのはシャル。
「シャルか。驚いた。俺は人と待ち合わせ。シャルは?」
「そうかぁ。1人はヤダな、あ、そうだ!アオイ、相席していい!?」
「俺は良いけど、リィーノがどうか・・・」
「やっぱり、待ち合わせのお相手はリィーノ様でしたか」ニヤニヤ
シャルが気持ち悪い笑みを浮かべる。大丈夫だろうか?
「あら、もうお友達が出来たの?」
あ、
「リィーノ様!エリガン・ローレンシャールと申します。アオイくんの友達です!」
(あっ、リィーノ)
って振り返り、声をかけようとする間にシャルがキラキラと輝く目をリィーノに向けていた。
「こんにちは。ローレンシャールさん」
「シャルでいいですよ!突然ですが、リィーノ様!お昼ご一緒してもいいですか?」
「え、あぁ。アオイが良いのなら」
「俺は良いけど」
「じゃあ決まりですね!」
というわけで、俺達は三人で食堂に来ていた。
「試験はどう?順調?」
リィーノが、この辺りでは珍しい弁当と呼ばれる、小さな箱の中におかずとパンを詰めたものを広げる。
まあ、俺も同じものなのだが。
「じゅるり」
隣から聞きなれない音がした。左を向くと、シャルがヨダレを垂らしながらお弁当を見ている。
「食べるか?」
ふるふると、首を横に振る。
なんでだ?
「ふふっ。アオイ、シャルちゃんは女の子よ?アオイのお弁当はもらいにくいわよ」
リィーノが、珍しく正論を言っている。
「シャルちゃん。私のをあげるわ。何が食べたい?」
「り、リィーノ様、ダメですよ。私は平民ですし・・・・」
シャルがオドオドとしている。こいつ、身分差を気にしてるのか?養子とはいえ、俺だってルノーク家の一人だぞ?
まあ、別に良いけど。
「シャルちゃん、これは交換よ。シャルちゃんは私から一つもらった代わりに、私にそのお肉をあげる。どう?」
「はい!いただきます!!」
なんか、上手くいったみたいだ。
食事中は、ポツポツと話すくらいでみんな無言で食べた。
俺とリィーノについては、そういう教育だったから。なんだが、シャルが静かだとちょっと違和感・・・失礼か。
「そういえばさ、アオイって古代魔法の使い手なんだね。驚いたよ!」
・・・・。シャルの唐突な問題発言。
俺と、リィーノは目をあわせ、
「シャル、ちょっと場所変えようか?」
「?なんで?いいけど」
やってきたのは、裏庭の東屋。盗聴防止の結界をはる。(リィーノが)
「シャルちゃん。始めに聞きたいんだけど、どうしてアオイが古代魔法を使ってるって思ったの?」
リィーノが少し低い声で聞く。ピリピリとしてしまうのは仕方ないのだろう。
俺自身はあまり実感がないが、古代魔法の使い手つまり、ベゾンダはそのくらい貴重で危険と隣り合わせなのだ。
「うーんとね、説明するのは難しいんだけど、簡単に言うと・・・」
シャルが出会ってから一番真面目な顔をする。筆記試験よりも険しい表情。
シャルの言葉を聴き逃すまいと、心音が聞こえるほど静まり返った東屋。そして、
「ねーちゃんと同じ匂い!!!」
・・・・。
一瞬、頭の思考回路がぶっ壊れた。何を言っているのか理解出来ないし、そもそもこの子は俺と同じ言語を使っているのだろうか?と思った。が、
あっそうだ。この子こういう子か。
「そっかー。」
リィーノの気が抜けた声と共に、いつのまにか力が入っていた体から、力と共に気力までもが抜けていく気がする。
「あれー?何でそんなにがっかりしてるの?」
「「いや、何でもない」」
アオイとリィーノの声がそろった。
シャル、恐るべし。
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それでは第十六話で!!




