表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

社交性0の冥界の王

 悪役令嬢キャサリンは城に戻ってケルベロスたちの遊び相手になっていた。

「僕がキャサリン様と遊ぶんだよ!」

「いいや、僕がキャサリン様と遊ぶんだい!」

(おいおい、ケルベロスのイメージは、いったいどこに行ったのよ……?)キャサリンはそう思いながらボールをブンッと投げた。

 ケルベロスたちがボールを追いかけている。

 それにしても、前世と生前の記憶とはなんだろう? そうキャサリンは考える。しかし、まだ答えは見つからない。

「キャサリン? すっかり冥界の城に慣れたようだな?」

「ええ、ハデス様。ところで、どうしてハデス様は神ではなくて、王なのですか?」悪役令嬢キャサリンは何気なく聞いたつもりだった。

 だが、冥界の王ハデスの様子がおかしい。

「どうしたの? ハデス様?」笑顔がひきつるキャサリン。

「妻であるキャサリンになら話してもよいか……。実は私は神々の集まりに行かないからだ」ハデスはそう言った。

「え、えっと、どういうわけですか?」悪役令嬢キャサリンは続けて聞いた。

「私冥界の王ハデスは、その……いわゆる、社交性というのがないのだ」ハデスは恥ずかしそうに答えた。

 冥界の王ハデスは社交性がない。

 冥界の王ハデスは恋愛オクテ。

 冥界の王ハデスは天然。

 それらを思い浮かべて、キャサリンはつい笑い出しそうになった。まさか、この段違いの力をビリビリと感じさせる冥界の王がこんなのだなんて、と。

「つまりは、その神々の集まりに行かないと神にはなれないのですよね?」キャサリンは今にも笑いそうだ。

「ああ、そういえば、女神アフロディーテはどうしているだろうか?」冥界の王ハデスがそう言った途端に、悪役令嬢キャサリンの目の色が変わる。

「ハデス様? 女神アフロディーテはその神々の集まりに行くのですか?」

「ああ、その通りだが? どうしたのだ?」

 キャサリンは復讐こそは考えないのだが、女神アフロディーテにもう一度会って話してみたい、と思い、

「ハデス様? その神々の集まりに行きましょう!」と自然な笑顔で言った。

「え、でも、私は社交性がない冥界の王……」

「ハデス様がそんなわけでいいわけがありません! とにかく、社交性を高める練習をしましょう!」悪役令嬢キャサリンは押しに押した。

 さて、キャサリンとハデスはどうなることやら?


続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ