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残酷な世界のいたずら。  作者: 紗厘
第三章 ~一難去って~
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過去に怯えながら

 時和の部屋には、リアムがベッドに座ってその前に時和が床に座っていた。

 ベッドの上にリアムの上着や湿布のビニールが転がっている。

 時和の隣に救急箱が置いてある。

 箱の中から袋を取り出し、袋から湿布を取り出す。

 ビニールをはがしリアムの足に湿布を貼る。

 その上からサジカルテープで剥がれにくくするために貼りつける。


「はい、じゃあほかにないか探すから上脱いでもらっていい」


「え……」


 リアムは怯えた表情をした。

 汗も少しだけ出る。


「そんなに怯えなくても何もしないよ」


 と、液れた顔で言う。

 リアムは頷きカッターシャツのボタンを外す。

 そしてカッターシャツを脱ぐ。

 時和は自分の目を疑った。

 リアムの体には、やけどの跡が幾つもあった。

 時和は一瞬言葉を失った。

 リアムも少し震えていた。


 時和は無粋にもリアムの火傷の後について聞いてしまった。

 リアンは時和の質問に答えた。


     ※


 小さな家にリアムは住んでいた。

 両親とリアムの三人で住んでいた。

 貧乏でも、三人で仲良く助け合いながら暮らしていた。

 真夜中に男三人組がリアムの住む家を燃やした。

 父親を目の前で殺された。

 わざと急所を外し、燃える父親を男三人は楽しんで見ていた。

 母親とリアムは三人に手や足を縛られ、目隠しもされどこか遠くへ連れていかれた。

 目を覚ますと全身があざだらけだった。

 少し動くだけで痛い。

 目の前に家を燃やした男の一人がいた。

 見渡すと牢屋のような場所にいる。

 足枷と鎖の長い手錠がされていた。

 男がリアムが目覚めたことに気づく。


「お、やっと目が覚めたか。おっせんだよ!」


 いきなり目が覚めるのが遅いという理由で、足で勢いよく蹴られる。

 全身のあざに響く。


「立てよ」


 立たなきゃいけない。

 早く立たないとまた蹴られる。

 

 嫌だ。

 嫌だ。

 嫌だ。

 

 その一つの理由だけで体に力が入る。

 体を動かし、横になっている状態から四つん這いの状態になる。

 腕に痛みが走り、床に倒れる。


「何してんの?なぁ」


 リアムの右腕にあるあざを足で踏みにじる。

 リアムは痛みのあまり泣き叫ぶ。

 すると後ろから知らない男の人が出てくる。


「そいつは明日から働かせればいいだろう」


 腕を踏んでいる男は、リアムの髪を引っ張り上げる。


「よかったな、今日は休めるんだとよ」


 と、嫌味ったらしく言った後、リアムを投げて牢屋から出て行った。

 男二人はリアムから離れていく。

 リアムは体を引きずりながら隅の方へ行く。

 体力的にも、精神的にも、場面的においても、脱走することは出来ないと確信した。

 そのまま眠ることにした。


 牢屋が開く音に目を覚ます。

 昨日リアムを蹴りまわした男が舌打ちをして入ってきた。


「何だもう起きてんのか、さっさと立て」


 その言葉に壁を使って立ち上がる。

 それでもかなり痛いが、歯を食いしばった。


「こっちに来い」


 リアムは重い足枷を引きずりながら、壁を伝って歩いていく。

 何度も倒れそうになるが、耐える。

 一夜寝るだけでも、沢山の事を考える事が出来ていた。

 男に付いていくと一つの部屋に出た。

 そこには、家を燃やした男三人に、昨日の男、それ以外に二人いた。

 全員男だ。


「お、新しいの来たか、コーヒーもってこい六人分だ」


 部屋にいた男の一人がリアムに命令をした。

 リアムは、何も反応しなかった。

 連れてきた男が、腹を殴り、髪を掴む。


「何か言われたら『はい』と言って、言われたことをすんだよ、分かったか?」


「……」


「返事をしろって言ってんだ」


 そう言って、髪を離して思いっきり蹴りを入れる。

 リアムは転がる。

 ほかの男はその状況を見て楽しんでいた。


「……」


「もう、罰を与えなきゃいけないな」


 そう言ったら、観戦していた中の一人が窯から鎖の付いた鉄の棒のような物を持ってくる。

 さっきから暴力を繰り返す男に渡し、金属の何かを持ってきた男はリアムを抑える。

 リアムは、殴られ過ぎて意識がおもうろうとしていた。

 力が入らず抵抗も出来ない。

 抑えている男がリアムの服を上げる。

 鎖部分で、リアムの背中を叩く。

 何度も、叩く。

 熱しているため火傷を負い、固い鎖で殴られる。

 リアムは何度も悲鳴を上げている。

 そして、鎖で殴ることをやめる。


「言われたことをすればいい、分かったか」


「……はい」


 泣きながら、返事をした。


     ※


「それから何もかも完璧に熟せるようになるまで殴られたり蹴られたり、時には煙草をそのまま押し付けられたりもした」


 リアムは昔の自身の事を時和に話した。

 時和はリアムに抱き着く。


「ごめんね」


「ううん、大丈夫。話したら少し楽になった」


「本当に、ごめんね」


「僕もごめん、時和を疑っちゃった。傷を見て拒絶するんじゃないかって、もしかしたらここの誰かにあの男たちと似たことをするんじゃないかって」


「大丈夫、ここに居る限りはそんな人いないし僕が守ってあげるから」


「うん……」


 時和は涙を流しながら、リアムは時和を励ますように話し合った。


「いつもと立場逆だね」


 なんてリアムがおちょくる。


「今日だけ、今日だけだから」


 時和は今日だけリアムに甘えることにした。

正直言うと、自分で書いてて少し胸糞悪くなっちゃった

オチだけを考えて書いているから、ただ胸糞悪い話になるか

重要な話になるか、作者ですらわかりません!

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