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残酷な世界のいたずら。  作者: 紗厘
第三章 ~一難去って~
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朝の倉庫

 目が覚めると、そこは暗かった。

 明かりは無く、屋根に近い場所にとても小さな隙間がありそこから光が入ってくるだけだ。

 おそらく通気口の穴だろう。

 鏡を見つけ、自信の姿を見る。


「何この格好――」


 そこには、ぶかぶかのTシャツに、半ズボン姿の由紀奈がいた。

 しかも、ブラジャーもパンツも無くなっていた。

 捕まったら自害しろと言われて渡された毒はブラジャーに隠してあったため、自害も出来ない。

 一つ溜息を吐く。

 そこに湊が入ってくる。


「なに?」


「起きていたか、先に朝食後に拷問。先に拷問後に朝食。どっちがいい」


 訳の分からない質問をされて、ついつい笑ってしまう。


「はぁ?何言ってんの」


 湊は真顔のまま、話を続けた。


「ただ、聞きたいことがあるだけ」


「私が人形(ドール)かどうかでしょ?人形(ドール)よ、それで?殺すの?」


「いえ、それは大体知っています。それ以外に聞きたい事があるんです」


 それ以外に聞きたい事とは、何かを考える。

 だが分からない、普通なら人形(ドール)と分かった時点で殺すはずだ。


「まあいいです。どうぞこれ食べてください」


 と、サンドイッチを渡される。


「毒なんか入ってないので」


 それはそうだ、今から聞き出そうとする相手を殺すわけがない。

 そう思ってサンドイッチを口に運ぶ。

 半分ほど食べた時に湊が話し始める。


「昔、話を聞くと言って食事を与えました。そして油断して食べて毒で死んだ人がいます」


 湊の言葉に由紀奈はサンドイッチを床に捨てる。


「あ、もったいない。それミランが作った物で毒なんて入ってないのに」


 完全に湊のペースに乗せられていた。

 正直、お腹も減っていて力は出ない。

 それでも湊に殴りかかる。


「怒らないでください。本当はもう一つありますから」


 と、湊の手にはサンドイッチがあった。


「なんのつもり」


「ただの遊び心です」


 と、サンドイッチを机に置いて倉庫から出て行こうとする。

 隙をついて出れないかと湊の動きを見る。

 湊が扉を閉める瞬間、走り出す。

 由紀奈は湊の頭を狙い飛んで殴りかかる。

 湊は扉を勢いよく開けた。

 その扉に由紀奈はぶつかる。


「馬鹿か。こいつ」


 と湊は一言残し扉を閉め施錠する。


 湊が屋敷に戻ろうとすると、アグナに声を掛けられた。


「貴方、何か知ってる?それとも隠してる?」


「何も知らないし、何も隠していない。これから知る所だ」


「そう」


 それで、会話は終わり湊は屋敷へと歩いて行った。

 

湊とアグナは同期で八年同じ場所にいる。

だからこそ疑いたくなかった。


「本当にそうであってね、湊を信じたいから」


 湊の背中を見ながらアグナはそう口をこぼした。

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