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残酷な世界のいたずら。  作者: 紗厘
第三章 ~一難去って~
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朝の屋敷

 ミランが一人調理場で料理をしていた。

 昨日の料理は毒の可能性を否めないためすべて処分をした。

 簡単にサンドイッチを人数分用意した。

 卵サンドとハムサンドをひとつずつ。


 作り終え、ダイニングルームに運ぶ。

 ダイニングルームは、片付いていた。

 椅子ももとあった場所に、カーペットもしわ無く敷かれている。


 そこに浩正が寝ていた。

 と言っても、椅子に座り腕を組んだまま寝ている。

 ミランが見ていると目を覚ました。


「ごめんなさい、起こしてしまった?」


「いえ、もう朝ですか。それは朝食ですか」


「えぇ、食材を見ると簡単なものしか作れそうになかったから」


 ミランは話を続ける。


「この部屋は貴方が片づけてくれたの?」


「由紀奈の部屋から帰ってくると誰もおらず、散らかっていたので綺麗にしておいただけです」


「そう、ありがとう」

 

と、何もなかったように微笑ましい会話をする。

 それでも、自然と由紀奈達の話になる。


「……」


「……」


「由紀奈は黒でしょうか」


「可能性はかなり高いでしょうね」


「これからどうするんでしょうか」


「時和から聞いたけど、拷問で湊が聞きだすことになったって」


 浩正も驚いていた。

 

 それで二人とも言葉が出なくなり終わる。

 ミランがサンドイッチを見て、浩正にお願いをする。


「疲れているだろうけど、皆を起こして来てくれない?」


「分かりました」


 と、浩正は笑みを浮かべながら出て行った。

 その笑顔は、不安そのものを庇うように作っているものにしか見えなかった。


 少し経つと、時和と茜が来た。


「ごめんね、ミラン。料理は僕の担当でもあるのに」


 眠そうな声で謝る。


「いいよ、あんなことの後だと仕方もないし」


 ミランは優しい声で声を掛ける。


「うん、ありがとう」


 そういって椅子に座る。

 茜はいつもの元気もなく、静かだった。

 椅子に座ってもずっと下を向いている。

 

 次に、湊とヴァレリに浩正が入ってくる。


「浩正、ありがとう」


「いえ、お気になさらず」


 それ以外会話がなかった。

 ――湊からもヴァレリからも。

 ミランも声を掛ける様子がなかった。

 と、言うよりも湊に声を掛けれなかった。

 聞きたいことがたくさんあるのに。


 静かな空気の中、ケインとキャラハン、セリアにクラパム、コンロンも皆入ってくる。

 皆疲れているのか、挨拶さえもなかった。

 

「エリーやリアムは来ないの?」


 ミランが浩正に聞く。


「来るはずなんですが」


 浩正が答えていると、丁度二人入ってきた。


「ごめんなさい、遅くなりました」


 エリーが謝る。


「大丈夫よ、さあ座って」


「はい」


 と、皆が席に着いた。

 一つ余っているが由紀奈の分も作っていた。

 キャラハンがケインの肩をたたく。


「ほら、挨拶」


 ケインはふと気が付くように言った。


「いただきます」


「いただきます」


 皆、声が聞こえるか聞こえないかぐらいの小ささだ。

 それで皆が黙々と食べ始める。


 湊が最初に食べ終わり、席を立つ。

 由紀奈の分のサンドイッチをもってダイニングルームを出た。


 その姿を皆がそれぞれ不安、悲しさ、疑いの目で見ていた。

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