7 間話
氷間が、宮廷をさまよっている一方、皇帝の部屋では……
「あの、氷間という宦官、帰り際、銀っていったよな?」
※とんでもない地獄耳
俺は確認するように呟く。
俺が氷間という宦官を知ったのはつい先日、宮廷管理人が変わったということで、書類をみたところ、氷間という、名前が目に入り、調査以来という名目で、会うことにした。
氷間。俺はこの名前を絶対に忘れない。これまで、ずっと、探し続けていた。
あいつは俺のことを、銀と呼んでいた
銀華。これが俺の本名だ。
あいつは、次期皇帝の俺にためらわず名前を聞き、俺を銀と呼んだ。
俺は宦官の氷間をみたとき、すぐに氷間だとわかった。
あの、茶髪、青い目、俺が探してたものだ。
俺は氷間も俺のことすぐにわかってくれると思った。
でも違った。氷間は俺をみた後、すぐ、宦官と一緒に逃げた
最初はなにかの間違えだと思った
でも、逃げた先で追い詰めても、あいつは、俺のこと銀と呼ばなかった。
俺の頭にはある言葉が浮かんだ。でも、考えるだけで苦しくなりそうで考えるのをやめた
俺は宦官がいるから、昔の呼び方をしてくれないのだと思った
そう思いたかった
二人だけで話をしようと、北の果樹林につれていった。
でもそこでも俺を銀と呼ぶことはなかった。
でも、帰り際、銀と聞こえた。
氷間にきくと、なんでもないといわれた。
今思えば、寂しくなった俺の幻聴だったのかもしれない。
そうだ。
俺は
忘れられたんだ
氷間に
俺の頬を一滴の涙が通った
氷間に会えて嬉しいはずなのに
これは、嬉し涙だ。
そうだ。決して悲し涙ではない……
…………
忘れられたなら、新しい思い出をつくればいい!
そう思ってないと俺はやってられなかった




