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ことが起こったのは、氷間が、16才になった夜だった
「氷間、私の跡継ぎになってくれないか?」
突然目の前で飯を食べている父が、言ってきた。
「!?」
危ない。危ない。茶碗落とすとこだった
「なんだ。氷間にしてはびっくりしているな」
いやまあ、急に言われてもねぇー
「はい。まあ……」
「氷間、私の仕事を知っているか?」
「いえ。」
知ってたら跡継ぎになれって言われてもそんな驚かねえよ
「宮廷管理人だ。」
は?
「宮廷管理人?」
「そうだ。宮廷管理人だ。まあ、仕事内容はあとで説明する。で、継いでくれるのか?」
「……養子を娶ったりするのがよろしいのでは?」
やりたくない。やりたくない。
「生半可なやつには任せられん。」
「位を返上するのは?」
「今までみたいな生活が出来なくなる」
「はあ。」
「どうだ?」
いや、どうだって言われても、そこまで言われたら、こっちに拒否権ないっつうの、
「跡継ぎになります……」
言ってしまったー!けど言うしかないだろ?この状況で!私以外、子がいない中で!
「そうか。そうか。それならいいんだ。」
「……」
やばい、なんか抜け道ないか?うーん。
「あのーお父様?一応確認なんですけど…」
「なんだ?」
「私、女ですよ?」
「ああ。そうだな。だから、男のふりしてもらうって言っただろ?」
「は?」
やばい、やばい、心の声漏れた。
「私、言われましたっけ?」
「あれ?言ってなかったか?すまん。すまん。まあでもそういうことで」
父はそういうと茶碗を片付けて、布団に潜って寝てしまった。
「……」
はあ?私が男のふり?!最悪すぎる……まあ、跡継ぎは百歩譲っていいとする。
男のふり?!よく言うよ。うん?待てよ?もしかしてだけど、こうなることを見越して「氷間」って名前つけられたのか?あの親父、あ、父許さねえ。しかもさ宦官だよ?宦官!大事なところ失った宦官!まあ、私にはついてないから丁度いい……じゃなくて!!それにさ………
~このあとも一刻ぐらい、氷間の愚痴は続いていく~
宦官:男のアレ(ITIMOTU)がない宮廷に仕える男
宮廷管理人:主がつくった役職。もしかしたら現実にあるかも




