《第五章》第三節:桃の決断と、真司の感謝
どうも、モモスケだ。桃の毅然とした態度に、八女愛子はついに退散したぜ。面接は中断になったが、桃は真司の腕をそっと掴み、自分を侮辱した相手に堂々と立ち向かった。この一件で、二人の絆はさらに深まったようだ。俺のひねくれたセンサーが、その全てを捉えた。
桃の毅然とした言葉に、八女愛子は完全に沈黙した。彼女は、これまでの尊大な態度が嘘のように、顔色を失い、焦りの色を浮かべている。面接室の空気は、桃の放つ静かな怒りによって、張り詰めたままだった。
「お、おい、もも、何言って……」
八女愛子は、震える声で何かを言い繕おうとしたが、桃はそれを遮った。
「お帰りください、八女さん。これ以上、貴方と話すことはありません」
桃の声は、一切の感情を排したかのように冷たかった。その瞳は、八女愛子を容赦なく見据えている。八女愛子は、桃の強い視線に耐えきれず、顔を真っ赤にして立ち上がった。彼女は、真司を一瞥したが、真司は無言で桃の隣に立っている。
「ちっ……覚えておきなさいよ!」
八女愛子は、そう捨て台詞を吐き捨てると、面接室を飛び出していった。その去り際には、どこか悔しさと、そして屈辱の色が見て取れた。
八女愛子が去った後、面接室には再び静寂が訪れた。だが、その空気は、先ほどまでの緊張感とは異なり、どこか清々しいものだった。
桃は、大きく息を吐き、そして、真司の方へゆっくりと振り返った。
「真司さん、ごめんなさい。面接の途中で、あんなことになってしまって……」
桃は、そう言って、少しだけ俯いた。怒りの表情は消え、いつもの優しい桃に戻っている。
真司は、そんな桃の肩に、そっと手を置いた。
「桃さん……ありがとうございます」
真司の声は、震えていた。彼の瞳には、感謝の気持ちが溢れている。
「俺のために……怒ってくれて……」
真司は、そう言って、桃の目を見つめた。彼の顔には、安堵と、そして深い愛情が満ち溢れている。
桃は、真司の言葉に、頬を赤く染め、小さく首を横に振った。
「私、真司さんのこと、バカにする人、許せないから」
その言葉は、桃の真司に対する深い愛情を物語っていた。彼女は、真司を侮辱されたことに、心から怒っていたのだ。俺は、そんな二人のやり取りを、桃の肩の上でじっと見つめていた。
この一件で、二人の絆は、さらに強固になった。
真司は、桃が自分を守ってくれたことに、深い感謝と愛情を抱いたことだろう。
そして桃もまた、真司のために怒る自分を再認識し、彼への愛を再確認したに違いない。
面接室のドアが、ノックされた。従業員たちが、心配そうに様子を伺っていたようだ。
「桃社長、真司副社長、大丈夫ですか!?」
山田が、恐る恐る声をかける。桃は、笑顔で振り返った。
「ええ、大丈夫よ。ちょっとハプニングがあったけど、もう解決したから。さあ、次の面接始めましょうか」
桃のその言葉に、従業員たちは安堵し、それぞれ持ち場に戻っていった。
俺は、桃の肩の上で、小さく頷いた。
八女愛子という嵐は去り、二人の純愛は、さらに深みを増した。
俺のひねくれた純愛観察日記は、新たな絆で結ばれた二人を、これからも見守り続ける。
桃の決断と、真司の感謝。この二人の間には、もう何があっても揺るがない絆が生まれたようだ。俺のひねくれた純愛観察日記は、このドラマチックな展開に、最高の評価を与えるぜ。さて、この後、二人の関係はどんなフェーズに進むのか、楽しみで仕方ない。




