《第五章》第二節:愛子の過去と、桃の静かな怒り
どうも、モモスケだ。真司を蔑む八女愛子。彼女の口から語られる真司の過去、そして会社への侮辱。桃の怒りは静かに、しかし確実に燃え上がっていたぜ。ついに彼女が、女王様のような毅然とした態度で八女愛子に引導を渡す! 俺のひねくれたセンサーが、最高の瞬間を捉える。
八女愛子と名乗った女の登場で、面接室の空気は一変した。真司は困惑のあまり言葉を失い、八女愛子は彼を蔑むような視線を向け続けている。俺は桃の肩の上で、この緊張感に満ちた状況をじっと見つめていた。
桃は、真司の様子を見て、すぐに異変を察したようだ。彼女は、八女愛子の履歴書に目を落としながら、静かに質問を始めた。
「八女さん、本日はお越しいただきありがとうございます。履歴書拝見しました。高校時代、三上とはどのようなご関係だったのでしょうか?」
桃の声は、いつもと変わらぬ穏やかなトーンだったが、その瞳の奥には、鋭い光が宿っていた。俺は、桃が静かに怒り始めているのを察知した。
八女愛子は、桃の質問に鼻で笑った。
「関係? 別に大した関係じゃないですよ。ただのクラスメイトです。あ、でも、三上くんは昔から、ゲームばっかりやってる変な奴でしたからねぇ。正直、なんでこんなところで会うのか、って感じですけど」
八女愛子は、そう言って真司を一瞥した。その言葉の端々には、真司への侮蔑が隠されていない。真司は、八女愛子の言葉に、顔を青ざめさせて俯いた。彼の体からは、明らかな動揺が伝わってくる。
桃は、そんな真司の様子を見て、握りしめた拳に、わずかに力を込めた。だが、表情は崩さない。
「そうですか……。では、八女さんは、なぜ弊社を志望されたのでしょうか?」
桃は、あくまで冷静に、面接官としての質問を続けた。しかし、その声には、冷たい響きが加わっている。
八女愛子は、桃の質問に、さらに鼻で笑った。
「んー、まぁ、とりあえずって感じです? 最近、この『株式会社MOMO』って、結構評判いいじゃないですか。潰れそうにないし、待遇も悪くなさそうだし。ま、あんたみたいな女が社長やってるくらいだから、大した会社じゃないんでしょうけど」
その言葉を聞いた瞬間、桃の瞳から、それまでの冷静さが消え、激しい怒りの炎が燃え上がった。彼女の表情は、一瞬にして凍りついた。俺は、桃の怒りが頂点に達しているのを感じ取った。
真司もまた、八女愛子の言葉に、顔を真っ赤にして立ち上がろうとした。
「八女、お前!」
だが、桃は、立ち上がろうとした真司の腕を、そっと掴んで制した。
桃は、八女愛子を真っ直ぐに見据えた。その眼差しは、氷のように冷たく、八女愛子を射抜くような強さを持っていた。
「失礼ですが、八女さん。あなたの発言は、弊社に対する侮辱であり、面接の場に不適切なものです。これ以上、面接を続ける意味はないと判断します」
桃の声は、低く、静かだったが、その中に込められた怒りは、面接室の空気を震わせた。
八女愛子は、桃の毅然とした態度に、初めて怯んだようだった。
俺は、そんな桃の姿を見て、密かに喝采を送った。
俺の飼い主は、やはりただの可愛いだけの女じゃない。
俺のひねくれた純愛観察日記は、この女王様のような桃の姿を、しっかりと記録する。
桃の怒り、凄まじかったな。八女愛子も、さすがに桃の迫力に怯んだようだ。真司も桃の毅然とした態度に驚いていたみたいだが、それ以上に彼女の強さに惚れ直しただろう。俺のひねくれた純愛観察日記は、桃の新たな一面を発見したぜ。




