《第五章》第一節:増員の兆しと、予期せぬ再会
どうも、モモスケだ。会社は順調で、今日は増員のための面接日。平和な一日になるはずが、まさか真司の高校の同級生が現れるとはな。しかも、その女、真司を蔑んでいる。俺のセンサーが、新たな嵐の予感を告げているぜ。
護摩焚から数日後。会社「株式会社MOMO」は、順調な運営状況を背景に、従業員の増員を計画していた。今日はその面接日だ。俺はいつものように桃の肩に乗せられ、忙しなく出入りする面接希望者たちを眺めていた。
桃は、真司と並んで面接官を務めている。彼女は、真剣な表情で履歴書に目を通し、応募者の話に耳を傾けている。真司もまた、桃の隣で、質問をしたり、応募者のポートフォリオを細かくチェックしたりと、的確に補佐していた。二人の息は、恋人同士になったことで、以前にも増してピッタリと合っているように見えた。
そんな中、一人の女性が面接室に入ってきた。すらりとした体型に、流行のファッション。真司が彼女の顔を見た瞬間、彼の表情が固まった。その変化に、俺はすぐに気づいた。真司の顔は、驚きと、そして明らかな困惑で歪んでいる。
「三上真司……? あんたが、こんな会社で働いてるなんてね」
女性は、真司を蔑むような目で一瞥し、薄ら笑いを浮かべた。その声は、どこか刺々しい響きを持っている。
真司は、何も言い返すことができない。ただ、その場で立ち尽くしている。
桃もまた、真司の異変に気づき、女性の顔をじっと見つめている。彼女の優しい瞳の奥に、わずかながらの警戒心が芽生え始めていた。
女性は、履歴書をデスクに置き、堂々と名乗った。
「八女愛子です。三上とは、高校の同級生でした」
その言葉に、桃は「えっ!?」と小さく声を上げた。
俺は、八女愛子という女の存在が、桃と真司の関係に、新たな波乱を巻き起こすことを直感した。真司の困惑と、彼を蔑む八女愛子の視線。そして、その状況に静かな怒りを燃やし始めた桃。
俺のひねくれた純愛観察日記は、新たな登場人物を迎え、再び予測不能な展開へと進んでいく。
真司の困惑、八女愛子の侮蔑、そして桃の静かな怒り。この女の登場は、ただごとじゃないな。平和な日々は、どうやら今日で終わりらしい。俺のひねくれた純愛観察日記は、再び波乱の幕開けだ。次節が楽しみで仕方ないぜ。




