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104/107

104 鳴らない携帯

 今日も今日とて軍団板でくつろぐワテクシ達。とりとめのない雑談の中、日向がコメントをした。

 

「やった…… ついにアタシは成し遂げた……」


「お? どうした日向? 成し遂げたって何を成し遂げた? 同じパンツ連続1週間履き続ける記録か?」


「……ヒナちゃんそれはきたない」

「僕もダメだとおもいます」


「だあああっ!! んなわきゃねぇだろ! そんな記録成し遂げて誰が喜ぶんだよ!!」


「……おやびん」

「おやびんさん」

「否定はしない」


「しろよ! なんで喜ぶんだよ!」


「そんなに褒めるなよ」


「褒めてねぇわ! 汚えだろそんなパンツ!」


「バカおまい、ヒナちゃんエキスが1週間も染み込んだ濃厚芳醇おパンツ様だぞ? 汚えどころか宝だろ」


「ぐあああ! このド変態!! 気持ち悪ぃわ!!」


「そんなに褒めるなって」


「だから褒めてねぇんだって!」


「日向はいっつも全力ツッコミ大変そうだな」


「アンタのせいだよ!!」


「で、何を成し遂げたんだ?」


「やっと話が進む…… 一応だけど、念願の趙雲様デッキが完成したんだ」


「お! ついにやったか」

「……ヒナちゃんおめでとう」

「トレード頑張ってましたもんね」


 ここで日向の言う趙雲様デッキとは、攻防デッキの全てを趙雲で揃えたデッキのことだ。レアリティもキラREX以上の特化カードで揃えた為、戦力的にも申し分の無いまごうことなき強者デッキだろう。


「いやいや本当に御苦労さんだな。そこに至るまでの努力と諭吉も報われるってもんだな」


「みんなのおかげだよ。趙雲様情報教えてくれたり、アタシが持ってないトレードアイテム譲ってくれたり。特におやびんには課金までして貰って本当に迷惑掛けて申し分なくて……」


「……ヒナちゃん、そこは申しわけないじゃないよ」


「そうですよ謝罪じゃなくて御礼にしなくちゃ」


「そうだな、小夜や優の言う通り。ワテクシは謝って欲しくなんかない。ただ一言の御礼が欲しい。御礼に1週間パンツあげます! の」


「そこに戻るんか!! 台無しだよ! せっかくの良い雰囲気が台無し! あと1週間パンツはやってないからな!!」


「よーしそれじゃ今日は兄弟の店で1週間パンツ祝賀会でも開くか」


「……さんせー」

「1週間パンツ成功の秘訣を聞くのが楽しみです!」


「お前達話しを聞け! だから1週間履いて無いんだって!」

 

 こうして日向ちゃん1週間パンツ祝賀会が開催される事となった。

 

 そして待ち合わせの時間、現地集合にしたのだが、主賓である日向が遅れている。


「1週間パンツ様はまだ到着せんのか?」


「……うん。携帯出ないから電車かも」


「まぁわざわざ片田舎のボロっちぃ飲み屋に来て貰うんだ、しょうがあるまい」


 ワテクシの一言にマスター(兄弟)が反応する。


「ボロっちぃ飲み屋で悪かったなこの野郎。特別おやびん(兄弟)の酒にトリカブト入れてやろうか?」


「お前がその顔面で言うと洒落にならんと自覚してくれ。ほれ、小夜と優がドン引いてるじゃねぇか」


「ハッハッハッ。すまねえなおチビ達。ジョークだよジョーク。でもまぁおチビ達なら始末してぇ奴がいたら割引でいいぞ?」


「だからやめろっつの」


「……ますたーはやっぱりおやびんのお友達」

「似てますよね」


「そうかぁ? ワテクシはもっと品があるつもりだが?」


「何が品だよお前。どのツラ下げていってんだ。中坊の自分に床屋で旦那って言われてたじゃねぇか」


「バッカお前、ワテクシの黒歴史をほじ繰り返すなよ! アレさすがにキズついたんだぞ」


「……ちゅーがくせーで旦那……」

「なんか思い浮かべると笑っちゃいますね!」

「……うん。ますたー、もっとおやびんの昔のはなし聞きたいな」


「お? 聞きたいか? コイツったらよぉ……」


「やーめーれ」

  

 遅刻の日向を待ってる間、なぜかワテクシの黒歴史座談会が始まってしまった。酔った勢いで迎えた童貞卒業(デヴュー戦)の相手が顎の長いレスラー似の女だったとか、ソレはもう赤裸々に語られてしまった。


 そして数時間の時が流れたが、日向が一向にやってこないのだ。


「……むぅ、全然出ない」


「日向、連絡付かないのか?」


「……うん。いつもこんなことないのに」


「なんか外せない用事でも出来たか…… 連絡出来ない程の」


「……それでも一報くらいはいれてくれるけどなぁ」


「確かになぁ、日向の性格的にほったらかしは考えづらいもんな。にしてももう時間が時間だ。お前達は今日はもうウチに泊まれ。マスター(兄弟)、日向がもし来たらワテクシの家にいるって伝えてくれ」


「おう。任せとけ」


 そんなわけで、ワテクシの家でお泊りする事になった。コイツら帰りの電車止まるまで飲んでは、ちょいちょいウチをホテル変わりにしやがる。近所の住人からは兄妹仲良いですねとか言われる始末だ。


 そして軽くシャワーを浴びてさぁ寝ますかと言う時だった。


「……あ! ヒナちゃんだ」


 小夜の携帯に日向から連絡があったのだ。何にせよ連絡がついて良かった。


「……ヒナちゃん、どうしたの……え? は、はい。わたしです」


 と、思ったが、なんか小夜の様子がおかしい。


「……え? え? ウソ! ウソウソウソ!! そんなのウソ!! だって今日だって昼間あんなに!! はい、わかりました」


 電話を切った小夜の顔が一気に青ざめ、呆然自失気味に小刻みに震える。


「……どうしよう……おやびん。……ヒナちゃんが」


「落ち着け小夜、どうした? 何があった? 日向がどうしたんだ?」


「……ヒナちゃんが、……しんじゃった」


「は!?」


 

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