102 R・I・P
「おい良いのか? このまま軍バト始めてよ? 得意の罠は軍バトじゃ使えねぇぞ?」
今日の軍バト相手がワテクシ達と知って、早速アキヒロが煽ってきた。わかりやすい奴だな。しかしこんなやっすい挑発に乗ってやる程お人好しでもないので、
「人の心配してる暇があるなら働けよ糞ニートw お前、両親のスネがズタズタだぞw」
安定のニートいぢりに案の定フジコフジコするアキヒロ。顔真っ赤ってやつだな。コイツ、ワンチャン本当にニート説あるんじゃねぇのか?
ただ、実際アキヒロの言うように軍バトでは罠が使え無い。それでもコイツ等では逆立ちしたってワテクシ達に勝てるデッキでもない。となるとやはりと言うか、それしか無いであろうデッキ割り狙いである。
特に悪質と言われ誰もやらないガリガリと言うクズ作戦をコイツ等は平然と使う。攻撃デッキのコストを最小にして、相手の防御デッキを削り捲ってデッキ割れを狙うのだ。
「おやびんの言う通りだな。ガリガリ戦法だ」
「だろ? コイツ等は馬鹿の一つ覚えでコレっきりねぇのよ」
「……よてーどおりすぐる。しょせん雑魚」
「僕達は防御コスト上げまくってますもんね」
そう、ワテクシ達メデジン・カルテルは防御コストにかなり重きを置いている。少人数軍団で多人数軍団と渡り合おうと思ったら必要な事なのだ。ガリガリをやられなくても防御コストが低いと普通にデッキ割れ起こすからな。
「ただ、そうは言っても通常よりはデッキ割れ起こしやすいからな、回復は小まめにしていけ。酒が切れそうなら言えよ? いくらでも渡してやるからな」
「それには及ばねぇよ。匈奴イベントでたんまり稼いだのあるからな」
「……むしろおやびん無くなったらいって」
「そりゃまた頼もしい事で。どっちにしろコイツ等は前哨戦の罠作戦で台所事情はカツカツだ。今はまだそこまでムキになって攻撃しなくてもいいぞ」
「はい! 息切れしたら予定通りにですね!」
「そうだ。ガリガリが自分達の専売特許とか思ってる奴らに泡食わせてやれ」
ワテクシ達の第二作戦はこうだ。奴らは罠さえ無ければデッキ割りは容易いと思って攻撃してきている。対し、ワテクシ達は大量に回復しての攻撃は控え、デッキ割れ起こす前に回復。或いは少しデッキ割れしてから回復に努める。するとバカなコイツ等はワテクシ達の台所事情も苦しいのだと勘違いして、なけなし虎の子の回復を吐き出し続けている。
少ない余力を浅い考えで使い捲くれば、当然結果は火を見るより明らかだ。
「お? どうやら酒が尽きたようだな。おやびん、そろそろ頃合いじゃねえのか?」
「そうだな。ここからは蹂躙の時間だ。総員! オペレーション害虫駆除! 発動!」
「「「サー! イエス! サー!!」」」
簡単に言ってしまえば掟破りの逆ガリガリである。違いがあるとすれば、酒の尽きたコイツ等は回復も出来ず、ひたすら蹂躙されるのを指をくわえて眺めるだけだ。もっとも、アキヒロや一部のメンバーは課金して回復してたようだが、それも長続きはしなかった。諭吉先生を何人投入すればいいのかわからん上に、数名課金したとて敗戦は濃厚だからな。最後まで抵抗したアキヒロも、最終的には回復しなくなった。コイツの場合、課金回復したくてもガチで金が尽きた感はあるが。
そこからはもう本当に蹂躙だ。勝ち確のポイント差が付いても攻撃の手は緩めない。害虫駆除は徹底的にだ。
そんな中、ややもすればアキヒロから予想外のコメントが来た。白旗。このただ一言のみだが、アキヒロのプライドからして白旗は無いと思ってたので以外だ。もちろんそんなんまるっと無視して攻撃し続けるがね。大体それが人に物を頼む態度かね? 白旗お願いしますだろ。当然の如くフジコフジコして文句タレてきたが、それもまるっと無視するとすぐに諦めたようだ。ここまでこじれて白旗なんてそりゃめでたいって、猿でも気付くもんな。そもそも自分達が今まで散々よその軍団にしてきた行為だ。自分達だけ都合良く受け入れて貰えるとか思わんだろ。
そして軍バトは圧倒的勝利で無事終了した。もちろんわかりやすいくらいに罵詈雑言の文句を垂れてきたがね。やれガリガリやらないと勝てない雑魚だとか。
「なぁおやびん、コイツ等はこの手の定型文でも作ってるのか?」
「……わかりやすい」
「事前におやびんさんが予想してたコメント通りなんですけど」
「コイツ等のボキャブラリーに期待すんな。生きてるだけで精一杯だぞ」
「……で、どーするの? また雑魚ダウン?」
「いんや、前に教えてやったよな? とっておきのクールな煽り文句」
「あ! アレやんのか?」
「……アレは効くね」
「え、と、アレってなんですか?」
「おっと、優は知らなかったな、アレってのはだな……」
優に説明するとうわっ……っと、一瞬引かれたが、理解はしてくれたようだ。
「おっし、それじゃコメントするぞ? せーの」
「「「「R・I・P」」」」
AKH48安らかに眠れ。




