101 ワンサイドゲーム
AKHとの戦争が開戦したわけだが、案の定、奴らはワテクシ達のログインしていない時を徹底的に狙ってきた。
本来ならここでデッキ割れを起こさせ、ボコボコにして雑魚だのカスだの暴言を撒き散らす算段だったのであろう。
だがしかし、ワテクシ達の罠作戦は十全に作用した。完璧な迎撃システムはその攻撃の全てをシャットアウトする。
それでもどうやらバカなりには考えるようで、セットしてある罠を全て消費させようと回復酒を飲んでまで攻撃してきた。
「おやびんの言った通り、毎晩攻撃が激しいや」
「……わなが無かったら大惨事」
「でもいっぱいあるとはいえ、このペースで消費してもちますか?」
「優の懸念はわかる。まぁここは正念場の根比べだ。奴らの回復酒が尽きるかワテクシ達の罠が尽きるのが先かのな。つっても課金して補充してやるけどなゲラゲラ」
「さすがと言うか何と言うか……」
「優、このオジサンは筆頭廃課金者だぜ? 常識は捨てろ」
「……夏のぼーなす全ブッパのでんせつ」
「そんなに褒めるなよ」
「褒めてねーよ!」
んな感じで、今のところは案外余裕で対処出来ている。
「それよりちゃんと煽ってるか?」
「任せろ言われた通り、倒す度に雑魚ダウンてコメントしてやってるぜ」
「……コピペでいーから楽」
「あと言えば言うほど相手がムキになって楽しいです!」
煽り合いってのは相手のペースに乗っちゃダメだ。だがコイツ等はこれまで大勢力をバックに、一方的に好き勝手煽ってきた。そのせいか煽り返される事もほとんど無かったのだろう、煽り耐性は極端に低く、優の言う通りにムキになって長文で煽り返してくるのだ。しかしそれに対しても雑魚ダウンの1言で済ます。すると、それしか言えねぇのかとか、ボキャブラリーなさ過ぎとかまた返してくるのだが、それすら雑魚ダウンで済ます。何を言われても雑魚ダウン。頃合い見て雑魚ダウンにwを付けてやれば、自分がからかわれてる事に気付き、トーンダウンしてゆくのだ。
そんな中でも尚、煽り散らかしてくる奴もいる。軍団長アキヒロなんかその筆頭だ。罠使うのは卑怯だとか汚いだとか、やいやい子犬の如く吠える吠える。別にお前等も使えばいいじゃん? あ! ニートだから無理かw と返したら、更に吠えて来たりして愉快な奴である。
実際、罠を使ってきた奴もいたにはいたが、直ぐ止めてしまった。まぁ、冗談抜きに普通に買ってたらもたないだろう。1個100円は高過ぎる。
通常バトルは同一人物相手に1日3回まで規制がある。ウチの軍団は4人、だから1日12回バトられる1日で1200円だ。1週間で8400円。そりゃ続けられないわな。ワテクシ達の様にイベントで荒稼ぎ出来てなきゃ到底無理なのだ。
因みに、ニート煽りには多分に反応するので雑魚ダウンからニートダウンに変えてあげた。
ワテクシ達の煽りコメを見た人達に陰で散々笑い者にされているようだ。
そして数日も戦い続けていれば、目に見えて攻撃回数に翳りが見え始めた。
「どうやら回復酒が底を尽き始めたようだな。悪徳トレードで荒稼ぎした分吐き出させてやったぜ。ざまあみやがれ」
「アタシ達の罠はまだ潤沢なのにな」
「……ほんとに雑魚」
「ほんとにニート」
「まったくな。ここは意地で課金しろと言いたくなるわ。つっても、アイツ等も1枚岩じゃなくてな、嫌々やらされてるのもいるんだわ。今回なんてアキヒロの私怨だからな、課金してまでやる気なんざ無いんだろうよ」
「おいおやびん、言ってるそばから今日の軍バト相手、AKHだぜ」
「そりゃ好都合だ。バトルも煽りも雑魚なコイツ等はもう味のしなくなったガムだ。ダラダラ戦うよりここらでキッチリ引導渡してやろうぜ」
「……ころす」
「ボッコボコにしてやります!」




