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末広がり
この作品は、「螺旋企画」参加作品へのアンサーストーリーです。
オーダー:自由律
214字
桜一枝、春の嵐に落ちたのは大枝。そこに座っていた空色ドレスの少女は、美しい亜麻色の巻き毛を揺らして逆さしまに落ちた。
頭を飾るリボンは桜色。豪雨ですっかり駄目になった花弁を張り付かせて、絹は泥々に汚れている。
灰茶の瞳をくるくる回して、上下左右を見回した。
「これかい」
雀が舞扇を渡す。華やかな牡丹の模様。首を降る少女に、鳩が差し出すのは、小花繋ぎのレースの扇。首をかしげる少女へと、からすが黒字に桜の茶扇子を渡す。丹塗の骨が艶いた。
原作はこちら。
陸 なるみ 作『御前の後を追ってよかろうかー空へのらせんー』
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