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あなたに応えたい――企画アンサーストーリーズ  作者: 黒森 冬炎


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貸してください

「お仕着せ企画」参加作品へのアンサーストーリーです

 椿の鼻緒をすげた可愛い黒塗りの下駄を履いて、おちよは雨上がりのぬかるみをゆく。泥よけの爪革(つまがわ)も子供サイズで可愛らしい。帯から覗く根付(ねつけ)の鈴がチリチリと賑やかな音で弾む。


「貸してください」


 低い男性の声がした。


「その鈴、貸してください」


 銀杏の陰からすんなりとした白い手が伸びている。美しいが大きな手。




 鈴音(すずね)は庭の銀杏に登った。代々住んだこの家とのお別れに。


「お陰様で今日まで枯れずに護れました」


 低い男性の声がして、膝にチリンと根付が落ちた。



お読みいただきありがとうございます



原作はこちら


梅ヶ谷駅物語

あなたにお礼を伝えたく

作者:瑞月風花

https://ncode.syosetu.com/n7636gj/

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