第37話 茜色の街
深夜、日付が変わり闇が街を包む頃、魔法少女の方程式の3人は街の中を走り回っていた。
それぞれが別々の建物の扉に着くとドンドンと大きな音を立てながら声を上げていた。
「起きてください。魔物が街を襲っています。早く避難をしてください!!」
そう言いながら、建物の中で眠っていた人たちを起こしながら避難の準備をさせた。
伝え終わると、次の建物に向かい再び同じ様に避難するように伝えた。
「いったい、なんでこんな事になってるんだ・・・」
リオがそう言いながら、土の中から生まれたゴーレムを倒しながら住民に避難するように伝えた。
昨日、ルナが隣から戻りみんなで夕飯の準備をしながらちょっとした合宿気分で動いていた。
夜になり、お風呂から上がったリオはベランダから外を観ていた。
それを観ながら後ろからキャロが隣に立って一緒に外を眺め始めた。
最後にお風呂から出てきたルナが、二人を観ながら声を掛けた。
「二人共、どうしたの?外なんか観て」
「ねぇ、ルナ・・・あの結構遠くにあるおかしなもの何?」
質問に対し、リオがそう言いながら指をある方向に指した先には、高い山の頂上に橋が有りその先には大きな島が浮いていた。
それを見たルナは納得しながら返答した。
「あそこは鳥人族の人達が住んでるバフラードって浮遊島だよ。凄くきれいな島で、ガルゼン渓谷に入らないと行けないから検問で数少ない特別な許可を持って入れる部族なんだよ。」
それを聞いて「へぇ~」っと言いながらリオたち三人の目がゼンメルの街並みに目を向けた。
すると、キャロがふとあることに気づいた。
「リオ姉、ルナ姉、あそこ・・・建物燃えてない・・・?」
そう言って3人が見た先には街の端の建物で炎が上がり、その周りに複数のゴーレムが建物を破壊し魔物も何匹か群がっていた。
それに気づいた三人は顔を合わせ、すぐさま服を着替えて外に出た。
その間にルナは本部に連絡を取り、対応を返答していた。
「二人共、とりあえず急いで皆をバフラードへ避難させて、あそこなら今の所安全のようだから・・・リオは魔物の対応を、キャロは住民の避難を優先させて!私は出来るだけ水魔法で消化をするから!!」
「わかった!とりあえず魔物の多いところへ向かう」
「了解です。避難ルートは地図を確認しました。」
「・・・やっぱり凄いな、リオもキャロも・・・今、なんとかできるのは私達だけ!だから踏ん張るよ!」
『了解!!』
3人はそれぞれの場所に別れ、自分たちの任務に向かっていった。
近くの建物の屋根の上で、それを眺めているアルフレアとクリストファーがいた。
「イッツショータイム」
「ヒヒヒ、さぁ・・・叡智の魔法使いの最後だ。ヒヒヒ」