第11話 過去の決意、今の・・・ 前編
「 M'sKを辞めますか? 」
オオカのその言葉は、病室の中を更に静まらせた。
そしてそれを聞いた3人は意気消沈しており、返せる言葉すらなかった…
「・・・今は何も考えられないかもしれないわね。今日は一旦解散して明日結論を聞きましょう。クレアもそれでいいわね?」
「オオカさんがそう言うなら。日光!月光!二人もいいわね?」
「まぁ、少ない時間だがそれでよければな。」
「僕もそれでいいかと思います。」
「よし!なら3人共!明日…返事を聞かせてもらうよ。じゃあね♪」
そう言うと、3人以外のみんなが部屋から出ていった。そして、その場に残った3人は完全に静まり返った部屋の中で動くことすら躊躇い、呼吸をする音すら静まり返っていた。
「どうする?リオ、ルナ…」
「どうするもなにも…私は…戦うだけ…でいいのかな…?」
「…私達は、アマかったんだよ…少し力があるからって調子にのって何でもできるって…でも…でもね…今は怖いよ…」
ミアの言葉につられ、リオとルナも口から本音を出していくなか、ルナは自分の心から出た恐怖心を2人に伝えた。
それを聞いた2人も、顔を下にさげ再び口を閉ざしかかった。
「とりあえず、今日は私達もそれぞれで答えを出してみようよ…暗くなってちゃ続けるも辞めるも決められないと思うし!」
リオが顔を横に振り、むりやりと笑顔を作ると、2人にそう伝えた。2人もその言葉に乗り、一旦3人はそれぞれで考えることにした。
そして、少し時間は経ち、同日の深夜…M'sK本部総監室にはオオカ、クレハ、シオン、そして日光と月光がいた。
クレハは専用の椅子に座り、オオカ、日光、月光はテーブルを挟んで向かい側に立っていた。
シオンはみんなの分のお茶を用意しに、部屋の隅で作業をしていた。
「本当に師匠はひでぇ!あんな恐怖を植え付けるように言うってどう言うことだよ!」
「兄さん!落ち着いて…師匠にも考えがあってのことだと思うよ…そうですよね?」
「そうね…この先は、それ相応の覚悟がないと生きていけない。特に彼女たちはキングダムに狙われている。プリンセス・スノウ・リング…彼女と対等に戦うには、今の彼女たちの力では到底かなわない。それはあなた達も分かっているわよね?」
「ユイちゃん。私ね…彼女達ならもっと強くなると思うの。初めてあったときのあの力強さは…正直、今でも忘れてないわ…いつかくるキングダムの復活のために彼女たちはM'sK史上最高のチームになってほしかった。でも、流石に奴らの復活が早すぎた。」
「早すぎた…ね。それにしてはうちのバカ弟子共はまだ彼女たちに心の開放を教えてないみたいだけど?」
「そっ、それは…」
オオカの鋭い言葉に、日光は口ごもると日光もそこから先を喋ろうとはしなかった。
それを見て、矛先を今度はクレハに向けて質問した。
「クレハ!貴方はなにか考えでもあって教えてなかったの?彼女たちをM'sKに入れてから1年、もう先に進むには遅いくらいだと私は思うけど?」
「私は、今の時点でもまだ早いと思ってる。私は彼女たちに……をして欲しいと思っているの…」
「…クレハ、それは正気なの?」
「そのために、今の時点でSTAR☆DROPに…魔法少女の方程式3人の心の開放をするのは、一時的とはいえ5人分の戦力が無くなることになる。それは組織を管理する者として簡単に許可はできないわ」
それを聞いたオオカは、呆れた顔をして部屋の中のソファーに寝転ぶ。
そして少しの間の後に振り返り4人に向かって放った。
「言いたいことは良くわかったわ…確かに、あなた達の出した答えがそこに行くなら90点の内容だわ…でもね…バカ弟子ができないなら…私が、彼女たちの心の開放をおこなうわ。それがあの2人への私からの手向けだから…」
その言葉を放ったオオカは、満面の笑みであった。それは美しく、そして儚く恐怖にも見えるほど美しい笑顔であった。




