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#21
操縦するようになってはじめて気づいた。これ異常なほど静かだった。
これなら時間を忘れる……、てか眠い……。
気づいたら……寝ていた。
《目的地に到着しました》
カーナビから音声が聞こえた……。あぁ、着いた。
目を開けた瞬間、目を疑った。
「……本当に北海道なのか?」
銀行というよりは刑務所に近かった……。
頑丈なセキュリティ故の姿なのかと思うほど冷たい感じがした……。
入口には警備員が立っていた。
「そうだ、服借りよう」
ゆっくり警備員に近づき、
「すいませーん」
「はい?」
と言った瞬間……、俺は、警備員の顔面を思いっきり殴った。
「ぐわぁ!」
その場で意識を失ったようだ、おそらく一時的だろう。
意識が戻れば、俺を捜しにくる……。
でも、そんなの気にしている暇はない!
急いで警備服を脱がし、俺の着ていた服を着させた。
施設に入るのは、扉の横についているカードスキャナーに身分証明書をかざす必要がある。まぁ、俺の場合その点に関して心配することはないが。
借りた……いや、奪った警備員の身分証明書をかざし、俺は、禁断の園-大国銀行に入った……。




