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#20

道なりに走っていると、あのテントに着いた。

相変わらず、寒そうにしていた。


「また、来てくれたのですか?」

「あぁ」

俺は、マッチ箱3個と食パン4枚を渡した。

「あ、ありがとうございます」

彼女はすこし顔を赤めた。


「そういえば、名前はなんていうの?」

「えっ? ……ユミコ、……ユミコって呼んでくれます?」

「あっ、あぁ。いいよ、ユミコ」

ユミコは、うっすら笑った。


「俺、今から北海道に行くんだけどくるか?」

「……行きたいけど……、大貧民は住んでいるところから出ちゃいけないって決まっているの」

「そうなのか……。以前大貧民だったのに……ごめん」

「いいのよ。……でも、なんで北海道に?」

「先日訊いた話の真否を確かめたくなってね」

「そう……。私の話に信憑性がないから?」

「ちがうな。インターネットで調べても大国銀行に関する記事が出てこないんだ。明らかになにか隠していると思ってね」

「そうなんだ……」

ユミコは、どこか寂しそうな顔をした。


「また、会おうね」

「……生きて帰ってこいってことか?」

「……うん」


生きて帰る……、それほど大国銀行は恐ろしいところなのか?


ユミコに必ず生きて帰ると宣言をして、俺はテントを後にした。



執事の待つヘリコプターに着き、乗り込むとすぐさま出発した。

「今日は早いですね。まだ2時間しか経っていませんよ? ……これから北海道に行かれるのですか?」

「あぁ、……自分で決めたんだ。後悔しようがそんなの俺には関係ない」

「……そうですか、わかりました」

執事もユミコみたいに寂しそうな顔をした。

そんな話をしているうちに家に着いた。


執事はヘリコプターから降りて、

俺にヘリコプターを託し大きく手を振って見送ってくれた。


ヘリコプターは自動操縦であるため、免許がいらない。

カーナビに目的地を入力すれば、そこに連れて行ってくれるのだ。


赤ちゃんでも運転できるわけだ。


でも、不思議なことにこのカーナビに大国銀行が出てくるのだ。

ここを目的地に設定し俺は、北海道に向かった……。



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