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異世界編 その22『次に』

ケヲスという国は国の中央に位置し王城がある中央都市スウロラ、そしてそこから東西南北にある地方都市によって成り立っているといっても過言ではない。

東の都は『貿易』

西の都は『防壁』

南の都は『牧農』

北の都は『工業』

それぞれちゃんとした名はあるんだけれど、各地方都市の特色を使って『貿易の都』あるいはそのまんま『東の都』と現地の人ですら名を使わない。 

それが何故だとかはキツネさんの有効利用でもわからない。

ただまぁ不便ではないし、放置してもいいコトとして片付けておく。

本として纏める時に必要であれば詳しい人にでも聞けばいいし、所蔵本を漁ればわかることだろうし。



さて、私とキツネさんはラバルに乗って東の都から南の都に到着した。

途中ラバルとノイたちの飛行獣の距離が開いてしまって到着時間がズレるというハプニングがあったもののそれ以外は特に順調だった。

合流してからは軽食を取りこの街での宿舎を決めて一息ついた時にはすでに霧の時間まであと少しというところだったので行動するのは明日から、と『赤い本』に書くようなイベントが起きなかった。



さて次の日。

ようやく何故勇者アイザワ達が南の都に来たのかようやくわかった。

どうやら彼らはツンボス突山、デスマウンテンへの移動手段として「飛行獣」を探しにきたようだ。

説明すると。

走行獣といえばアジュラが第一に挙げられるが飛行獣においてはケヲスが挙げられるらしい。

で、南の都…現在滞在しているこの街は飛行獣の育成ランクがトップで、高レベルの魔獣が住み着くラスボスエリアでの行動可能な飛行獣を求めてきた。

一行のポテとテマの走行獣ではケヲスの先に進めないから。

こんな感じ。

…ゲームとかだと飛行獣から勇者一行に入ってきたり何故だが運良くポテとテマが一行から外れたその街に更に高性能な飛行獣が売ってたりするんだけどな…まぁ仕方ない。

異世界なう、だし。

これで真っ先に中央都市ではなく南の都に寄ったのか理解できた。

けれど…別にこれって勇者の軌跡として書くにはどうでもいいというか…別に書かなくてもよくね?っていうか現地まで来て調べる必要があるのか、って感じだよね。 



そんなわけで。

現在地ではなく現在共に行動しているメンバーを重要視することにした。

勇者アイザワたちに武闘大会チーム戦で戦って勝った、というノイ達。

『魔王を倒す』という物語からしたらサブイベントな感じがするが変装して入国したりギルドの任務を受けずにいたりと大会前に面倒な行動を起こしているのだ。

真面目に書いても損はないと決め、彼らに詳しく武闘大会のことを聞くことにした。

ケヲスの王様的存在である総統帥クラロド・ケーニー生誕50周年の祝事の1つとして開催されたのが武闘大会。

1対1のシングル戦と人数制限4人のチーム戦。

それぞれトーナメント方式で行われ、シングル戦はタイマン、チーム戦はリーダーに一定のダメージがはいると壊れてしまう宝珠を持たせそれが壊れたら負け、という試合のようだ。

大会参加者は参加登録時に武器・防具のチェックを受け許可されたモノのみ使用。

属性加護などの特殊処理がされたモノに関しては機能を大まかに事前公開。

状態異常の薬品、魔術は使用不可。

…ふむルールはこんなもんかな。

色んな民族が参加するのでルールはシンプルにし誰に対しても公平を、とのことらしい。

でノイ達のチームはネコ耳尻尾少女のメアが宝珠をつけていたようだ。

雰囲気的にメアはマスコットでノイがリーダーだと思っててそう聞くと…

「俺たちは特にリーダーをか決めてないんだ。 確かに俺が顔を立てる時もあるけど

 礼節を1番弁えているっていうだけだし戦闘は他の3人の動きを見て各自動いて

 いるだけだしな。

 まぁ今回はキー役になるのがメアだからメアに宝珠を持ってもらった、ってわけ」

「宝珠はリーダーに、というルール…」

「いや他のチームは明らかタンカーがリーダーなのに魔術師に宝珠持たせてるとこ

 あったし。 だってぶっちゃけ、後衛に持たせたほうが有利だし? 

 メアは前衛もこなすオールラウンダーだからマシじゃないか?」

「…そういうことにしとく」

ノイの態度から宝珠は後衛に、リーダーっていうルール?何ソレ。というのはわかった。

まぁメモっておくけど…使わない方がいいだろうな…。

でノイ達の武器とアイザワ達との戦いを書き留める。 

本に纏める際にはチーム戦に出た勇者アイザワ、騎士カトリーヌ、同じく騎士ケルヴィンからまた話を聞いて客観的に書いた方がいいだろう。




宿屋の部屋にて紅茶を味わいつつ日記を書くという日課をしのんびりキツネさんとお話しして過ごす、そんな夜。

お互いの今日の成果というかお互い得た有効活用を披露というか。

そう、実は昼間私とキツネさんは別々に行動していたのだ。

アジュラのように私が迷子で気が付いたら別々にではなくちゃんと決めて、である。

私はノイとタニアに武闘大会を中心に話を聞いて。

キツネさんはタニアとJと共に飛行獣を育成している施設に。

「え? この街で手に入れた飛行獣を結局亡くした? どこで…ってラスボスか」

「つい先日連絡があったようです。 どういう状況とかはわかりませんが戦闘で

 亡くしたのは確かですね。

 あ、ちなみに正確には飛行獣ではなく飛行魔獣らしいですよ」

どう違うんだと視線で促す。

「飛行獣はそのまま飛行能力を有する動物の一種を騎乗用に育成したモノですが、

 飛行魔獣は魔物と飛行獣を掛け合わせることによって格段に上の飛行能力を

 有します。 ここ近年育成に成功しそろそろお披露目しようか、とのところで

 勇者達に一羽譲ることにしたようです」

「…魔物なんて大丈夫なの、それ」

「魔といってもピンからキリまであるらしく飛行獣の肉体を強化する程度の

 割合だそうです。トレーナー曰く『(けもの)が魔に勝った』ということらしいです」

「はぁ……」

一応、メモしとく。

『獣』の概念とか魔物ってか魔についてそんな詳しくはないんであまり触れないように書かないと。

勿論纏めるのに必要であれば間違いのない程度に学ぶが…いやだって異世界知識そんなに詳しくなってもねぇ…?


「勇者に関する事はこれくらいですかね。 小鳥さんの方はどうなんです?」

こっちにきたか。

「んー…ノイ達『ルト・ララサ』は勇者アイザワ達『光聖騎士団(ナイト・サラパテトリア)』に勝った経緯を

 詳しくー…ってこれはいいか。 ノイ達はドラゴンについてそんなそんなに知って

 なくてさ、ドラゴン襲撃で西の都の防壁の一部が壊れた程度しか分からないって

 言ってたよ」

「いや小鳥さんソレ結構重要ですから」

…。


「え、マジで」 

「マジです」



本命はシングル戦の優勝者がアジュラからの参入したティンガ族でした…なんだけどいつ言おうか。


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