リクエスト5・ミニスカ紫ワンピの美少女(魔女)のお話
一周年企画のリクエスト話です。
2~4話に登場したミニスカ紫ワンピの美少女(魔女)さんのお話です。
ネタが明かされていないので謎全開ですが、お許し下さい。
その他リクエストについては後書きにて。
便宜上「彼女」と表記する。
彼女は
どこにでもいて、どこにでもいない…どんな時間にもどんな世界にもいて、いない。
足元の雑草は健気に花を咲かせ、その上に彼女はいた。
「…フフフ」
笑うはずのない彼女は誰から見ても機嫌が良いようで。
短い裾がフワリと舞うのも気にせず滑るように地を歩む。
傾斜の坂の向こうの森、さらにその奥には白壁に囲まれた街が見える。
素晴らしい景色であることには違いないが、彼女にとってどうでも良かった。
足元の草花は風に吹かれて花弁は心地よさそうに風に当たっている。
同じように風を受ける彼女の耳には喝采が聞こえていた。
喜び。
興奮。
そんな歓喜な声。
彼女にとってどうでも良かった。
重要、というより関心があるのは喝采の内容。
「景色」と認識されるほど遠い場所からのソレは音でしかないはずなのに、彼女に
とってあるものがなくないものがあるのだから、「距離」などどうでも良いのだ。
耳を済ませることなく「聞き取った」ソレに、彼女は機嫌を良くしてみた。
自分という存在。
自分という存在理由。
ただそれだけ、それだけを忠実に実行し「喝采」は実った証。
正直なところ実った実も咲かした花も芽吹いた芽も、どうでも良いんだけども。
なら何故機嫌が良いのか?
何故?
自分の存在理由である目的を遂行し、成功させている。
ならば機嫌が良いというのはわかる。
けれど彼女にとって距離も時間も、どうでも良いものではないか。
「フフフッ・・・っそ。確かにそうね」
そうやって疑問も機嫌も全て流してしまうと、彼女は己の存在理由のため
次なる行動へと移すことに。
「いつも」のように一歩踏み出すだけ。
風に靡かれる髪を抑えながらその先に視線をやったその時。
―― …… ――
珍しいことに。
いや初めてだろう、「呼ばれた」のは。
明らかに「彼女」に向かって。
そして理解する。
「っそ。 アナタが私を呼ぶのね」
今度こそ、今度こそ彼女は口元に弧を描かせた。
まだ残っているリクエスト選択肢↓
2・37話登場ノイ・タニア・J・メアのお話
3・現実世界でのとある日常(小鳥か有希視点:中学時代)
4・君島トオルのお話(過去)
6・カレリ・マド・ピターチェのお話
*1・5は公開済みです。
リクエストの受け付けはまだ受け付けております。
また上記以外でもおkですが「タヌキ様視点」と「ネタバレ」はNGです。
その他詳細は活動報告にて。質問などもお気軽にどうぞ。
→終了しました。リクエストどうもでした。
最後に。
今話におきまして「意味解らん」という苦情は受け付けません。