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俺のことを知らないってわけはないはずだよ。この動きで分かるかな?
僕と妹に話しかける髭面の男がそう言う。
あっ・・・・
髭面のその男は、ドラムを叩く振りをする。
おじさんのバンドの人だ!
妹がそう言った。
あいつの言う通りなんだな。君たちは普通じゃない。君たちこそが人間の理想だって、あいつは常に言っていたよ。
髭面の男は、なぜだかニヤけている。
おじさんはどこにいるの?
妹がそう言うと、髭面の男はニヤけたまま顔を横に振る。
それが分かれば苦労はしないんだよ。
ほんの少しイラついた口調になる。
まぁ、手がかりはあるよ。あいつは俺の携帯電話にかけてくる。居場所は分からない。あいつが使っている電話は、位置情報をブロックしているからな。それでもまぁ、俺の電話に繋がるってことは、俺の電話帳に記録されている電話からかけているってことは確かだよ。俺は登録されていない電話からは繋がらないように設定してあるからな。
そう言いながら髭面の男は自らの携帯電話の電話帳を表示させて僕と妹に見せる。




