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ベイビーゾンビ  作者: 林広正
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40/131

40、


 妹が一歳の誕生日を迎えてたその日に、一つの異変が起こっている。父親はその事実を無視しているけれど、僕は気がついていた。

 おじさんが珍しくテレビで歌っていた。

 おじさんの歌は、やっぱり楽しい。けれど、いつもと少し様子が違う。

 手の動き、顔つき、言葉の使い方に違和感がある。

 手を前に伸ばすおじさんのパフォーマンスは、初めてではないけれど、その手がいつも以上に気怠く感じる。

 メークをしているのはテレビ用ではあるけれど、何故だか物凄くヤツれて見える。

 おじさんの呻き声を聞くのは初めてだった。曲中にもコメント中にも、呻く姿はそれまで見たことがない。

 ひょっとして? 僕はそう感じた。そして、そう感じたのが僕だけではないと、次の日に確信した。

 おじさんが家に来なかった。

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