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3つ目の魂

『まだ死にたくなかった!! まだ生きたかったのに!! お前も殺してやる!!』


 表に出たフェリの魂は怒りと憎悪に満ちていた。


『貴方が怒りに任せてセーラを殺せば、その体に宿る私も死にます。結局、貴方は…セーラと同じことをするのですか?』正義と規則を遵守するアリーナの魂は厳しくフェリを断罪する。


『良いんじゃね? 殺せるなら殺してみろよ。死は平等だ! 肉体を破壊して、もう一度、死ね!!馬鹿娘!!』破壊と混沌を愛するセーラの魂はフェリを煽る。


『おやめなさい。セーラの言葉に耳を貸す必用はありません。貴方は貴方の思うがままに、セーラの肉体を使えば良いのです』


『結局、貴方も正義の名のもとに人を殺す暗殺者を育てようとしているだけじゃない!! そんなことはさせないわ!!』


『ならば、セーラの言う通り、セーラに肉体を破壊しなさい。それで貴方の気が休まるならね』


『わぁぁぁん…。何でよ、何で…。私は…静かに生きたかった。それだけなのに…』


『あー。うぜぇ。弱虫は二度と出てくるなよ。消えろ、カス!!』


『セーラも、少し黙りなさい』


『そうですね。全て理解しました。そう、許します。アリーナの魂もセーラの魂も救えないのなら、自分の魂なんて救えるはずもないのです。だから、全てを許します。そして愛します』


『逆じゃね?』


 そして、フェリの魂は、慈悲と慈愛を信じる魂として、融合する。


 目を覚ますと、してやったり顔のマリオットがテンション高めで話しかけてきた。


「おはよ。セーラちゃん♪ 楽しかった? もしかしたら、フェリの国の王家の魔道具をセーラちゃんが発動できるかもね。そうしたら…王族だよ!? あっ。セーラちゃんは、元々王族の血を引いていたんだね。つまり、ダブル王族!!」


「王族? 興味ない」


「そうだね。セーラちゃんの寿命も伸ばせたし、今日は帰るね。バイバイ〜」


 体に力が入らない。気が付けばバーテンダーも消えていた。


 さて、日が完全に落ちたら、ナーブール村を壊滅させるけど…。フェリ…やっぱり邪魔するのか?


『する理由がないよ!! だってセーラのこと救ってあげるって約束したでしょ? それにナーブール村の人達が死んでも、きっと…魂を救ってあげるから大丈夫!!』


 間違った方向にいっちゃてるけど、邪魔されるよりは良い。


 

 完全に日が落ちると、ラッキーなことに、雨が振り始め視界を悪くし、音をかき消す。


 悔しいが、バーテンダーから教わった暗殺術を使い、ナーブール村へ近付いた。 そして、用意していた動物の血入り革袋を結界の要石に被せる。


 村の東側は、完全に結界の効力を失い、人外が入りたい放題になっている。


「街や村を落とすには、この方法が一番楽なんだよな」

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