手の先に
とある小屋の中。
「あまり、我が部下を虐めないでくれないか?」
全身に巻かれた鎖は、よくみると生き物のようにウネウネと動いていた。
「ワニー。この子は、わたしが先に見つけたのだぞ?」
緑色の髪はボサボサで、服はボロボロで人形を持った少女…操り人形がいた。驚くことに捕まったままの外見だった。
「はぁ…。面倒な奴まで来てしまったな」
「それは、私のことではないよな?」
二人は、開かれたドアを見る。
銀色に輝くフルプレートアーマーを纏った騎士が、部屋に入って来た。あれは…。生まれた小屋で出逢った…確か、アルベルトという名だったような。
「貴様ら、その子は、フォタム。陛下の子であるぞ!?」
突然、部屋の隅から声がした。
「アルベルトよ。陛下は、君ら正導騎士を信用していない。我ら探求結社に捜索と監視を頼んでいたんだよ?」
「探求結社・【隣の部屋】のルーマーまで来やがった」
「これは五芒星のルールに従い、本人に選んでもらうしかないだろう?」
「ば、馬鹿な…」
「ほら、それほど高貴な血筋ならば、君たち正導騎士を選ぶだろうよ。自信があるのだろう? 黙ってルールに従えばいい」
4人から説明を受ける。
まずは正導騎士のアルベルトからだ。アルベルトに二つ名はない。「人知れず陛下の血を受け継いだのは、このような事態にならないためだった。つまり フォタム様は、正導騎士になるべくして生まれたのである」
次は、探求結社・【隣の部屋】のルーマーからだ。「その正導騎士の内部抗争に巻き込まれたのが、君だよ。陛下はね。とても悲しんでおられるのだ。既成概念に囚われずに、世界の心理を追求する…我らに君を託したのだ」
操り人形のマリオット。「やぁ、名前を伝えるのは初めてだね。わたしはマリオット。言葉では何とでも言えるよね。わたしだけが、お前を救った実績があるし、お前の全てを知っている。わたしの組織は、自由で楽しいぞ? 何を迷うことがある? 全く、こんなことになるなら、あのとき強引に誘っておけば…」
最後は、死の標的・【警告の鎖】のワニーチェンだ。「自分に素直になれば良い。実に良い眼をしている。暗殺者の眼だ。最高の神具を手に入れ、共に暗殺道を極めようではないか!!」
本来は迷うことなどないはずだ。夢にまで見た暗殺者がそこにいるのだ。しかし、今はもうターゲットを見失っているのだ。ならば、違う人生を歩んでも良いのではないか?
「きめましゅた」[決めました]
死の標的・【警告の鎖】のワニーチェンの手を取る。
「さいこうのあんしゃつしゃになるでしゅ!」[最高の暗殺者になるです!]




