私を見て!!
家に戻ると、誰も居ない応接間のソファーに寝転がる。
何故、お兄ぃは、私ではなく、小汚い孤児院のガキ共をかまうのか? 私の方が可愛いのに。絶対に可愛いのに…。
ふと、セブルスが欲情して股間を膨らませていたことを思い出す。
(何だ。お兄ぃは、私に嫌われたくないから、ガキ共で我慢してるのか…)
「おにぃは、はじゅかしがりやしゃんでしゅね」[お兄ぃは、恥ずかしがり屋さんですね]
もうすぐ帰宅するだろう、お兄ぃが喜ぶように準備をする。
「ただいま…」
(ほら、予想通りだ。全裸の私に釘付けではないか!!)
「セーラ? お風呂に入っていたのかい?」
「えっ!?」[えっ!?]
「いや…裸だからさ…」
「おにぃは、はだかがすきじゃないのでしゅか?」[お兄ぃは、裸が好きじゃないのですか?]
「何を馬鹿なことを言っているんだ?」
「しゅきにして、いいんでしゅよ?」[好きにして、良いのですよ?]
「セーラ、いい加減にしろ!」
ほっぺたを思い切り叩かれた。何でだ? 何が悪い!? そうだ! お兄ぃを誘惑するガキが、孤児院にいるんだ!! そうだ!! 皆殺せば…お兄ぃは、私を見てくれる!!
裸のまま外に行こうとする私の腕をお兄ぃが掴む。そして、お兄ぃは、感情が死滅した瞳をジッと覗き込んだ。覗き込まれれば、お兄ぃの瞳も…自然と覗き返すことになる。
(やっぱり…洗脳されてる!!)
うるうるするお兄ぃの瞳は、いつもと違っていた。
「アァァァァァッ!!!」
(甲高い声で叫ぶ! 許さない…絶対に許さない…)
お兄ぃは、私を抱きしめる。いつまでも、いつまでも…。
***** ***** ***** ***** *****
目を覚ますと、ソファーに寝かされていた。キッチンの方から、お兄ぃと父親のライズの話し声が聞こえてきた。
「セーラは…一体、どうしてしまったのでしょう?」
「あれは…悪魔の子だ。無理に関わるな」
「お父さんまで、何を言っているのですか? セーラは…可愛い妹ですよ?」
「お前だって、本当は、気が付いているんだろ?」
「わかりませんよ! まだ…子供です。僕もセーラも…まだ…」
(そうか…。お兄ぃは、まだ…子供なのか。そうだよね。女の裸は、刺激が強すぎたかも知れない)
そうだ。レイナに頼もう。まずは、お手手を繋ぐことから始めないとね…。お兄ぃちゃん…。
私は、静かにソファーから降りると、レイナの家に向かった。外は人通りも少なく、月明かりも雲で隠れ、闇が支配していた。
夜は、私の時間なのだ。誰も…私を止められやしない…。




