「小説家になろう」での感想――文章添削ではないのだから
少し前にも感想についての話をしました。
ネット小説では、無料で読める上に作者に対して、作品の感想を書くスペースが設けられている場合が多いです。
ここ「小説家になろう」でも、作品の評価(文章とストーリー)、感想(いいところ、悪いところ、一言)、レビューと、三パターン評価をすることができます。
評価方法によって性質は異なりますが、作者にとってはどれも気になるものばかりです。おそらく、ほとんどの人は評価も感想もレビューも、もらえばそれなりに喜んでくれるのではないかと思います(必要ない人は「受け付けない」設定にすればよいです)。
しかし、だからと言って、例えば感想に好き勝手書く、と言うわけには行けません。感想は誰でも見ることができますから、内容は注意しなければなりません。
作者が求める感想は、ほとんどが話の内容でしょう。つまり、その話自体が面白いか面白くないか、ということです。
もちろん文章に関しても評価してほしいと思っている人もいるでしょうが、感想自体は内容についてを中心に書いた方がいいでしょう。
前回は「文章の細かい部分まで読もう」ということを書きましたが、推敲でも文章添削でもありませんから、事細かに文章の誤字脱字を指摘したり、小説作法の指摘ばかりするのはやめた方がよいでしょう。指摘をするにしても、必ず内容に触れたことを書くべきです。
沢山ある誤字脱字を指摘したいなら、挙げるのは数例にしておき、「このように誤字や誤変換が多いため、せっかくの物語の面白さが台無しになってしまっています。一度推敲をし直してみたほうがよいでしょう」程度にとどめた方がよいと思います(誤字脱字の指摘を許可している場合は、細かい場所まで指摘しても構いません)。
小説作法にしても、あくまで「一般的なルール」と言うものが多く、実際出版社によっては「一般的なルール」に従っていないもの(例えば一般的には鍵カッコの前には句読点はつけませんが、つけることで統一しているところもあるようです)もありますから、そこを必死になって指摘する必要はないでしょう。そういう書き方のスタイルの人なのかもしれませんし、随分前に書いたもので修正していないだけかもしれません。
読書感想文の宿題を出された場合、誤字脱字や小説作法について書く人なんていないでしょう(そもそも商業用の小説では、そういう指摘はめったにないと思いますが)。
内容についても、書くならできるだけ「よい点」も「悪い点」も書いた方がいいでしょう。
もちろん、作者にとっては「よい点」が多い方がうれしいと思います。しかし、すべてよい点ばかりだと、あまりきちんと読んでくれてないのではないかと思われてします。
逆に悪い点ばかり書いてしまうと、悪口を言われているようであまり気分がよくないでしょう。また、悪い点を挙げるだけと言うのもよくありませんから、「こうすればよくなるのではないか」「自分ならこうする」という提案をしてみるとよいと思います。
感想を書く、と言うことは、作者の文章向上やモチベーション向上につながるだけでなく、感想を書いた自身の文章力や文章をまとめる力にもつながります。
せっかく読んだ小説ですから、作者に感謝の気持ちも込めて、もし感想を書くならしっかりとした感想を書くようにしましょう。




