ストーリー作成のヒント:「裏切り」を利用する
長い話になると、登場人物の入れ替わりも多くなってきます。味方が増えたり、味方が敵になったり、いなくなった味方が再登場したり。
そういった登場人物の行方も、読者にとっては気になるところです。
その入れ替わりの背景には、そうなった理由が少なからず存在します。その理由を突き詰めることで、物語としての幅が広がるのではないかと思います。
通常の出会いから仲間になる、というパターンは多いですが、特にバトル物においては、敵が味方に、味方が敵に、という登場人物の動きも注目されます。
何故、登場人物が裏切って反対側の味方になるのか。その理由をまとめてみました。
・心境の変化
誰かの一言で、考え方が変わる。今まで信じていたものに裏切られる。
あるいは戦いに負けて、相手を応援したくなる。
このように、考えかたが変わることによって味方になったり敵になったりする、というパターンはよく使われています。
この場合、しっかりと裏切る事由を作り、読者に納得させるように話を作りましょう。
また、あっさりと仲間になってしまったり、あっさりと裏切ったりすると面白くないので、長い間悩んだり、かたくなに拒んでいたのに何かを切っ掛けに考えが変わったり、といったことを取り入れるとよいでしょう。
・取引の結果
人質を取られているから、仕方なく裏切る。
必要なアイテムがあって、それを手に入れるために裏切る。
このように、いろんな取引によって裏切ったり仲間になったりする、というパターンも結構あります。
取引の場合、その事由が無くなれば、再び仲間に戻すことができる、という利点があります。
例えば、人質が取られているなら、人質を解放する、アイテムが必要なら、その代替アイテムを手に入れる、などです。
追い詰められた主人公の逆転の手段にも使えるでしょう。
・作戦の遂行
例えば、裏切ったのは敵の弱点を探るためだったり、倒すだけではダメな相手を、違う視点から攻撃したりするため、といった感じです。
最後に合流する場面で裏切った理由を説明すれば、読者は「そういうことだったのか」と驚いてくれるでしょう。
このパターンの難しいところは、先に理由を決めておかないといけないため、しっかりとしたプロットを立てておく必要があるということです。
また、読者に「裏切ったあいつはどうなるのか?」と、楽しみにさせるような書き方も必要となってくるでしょう。
ほかにも、まだまだ「裏切り」のパターンとしてはいろいろあると思います。
物語での「裏切り」という要素は、いろんなパターンを作ることで物語を進行させるのに役に立つと思います。
せっかくですから、うまく登場人物を裏切らせて、読者の期待をいい意味で裏切りましょう。




