時系列プロットを利用する
前回紹介した箇条書きプロットは、とにかく書こうと思う事柄をどんどん挙げていくだけでしたので、もっとも簡単でシンプルな方法だと言えます。
しかしこれだけだと、いろいろと不都合が出てくることも沢山あります。
例えば、登場人物同士の関係が分かりにくかったり、時間的に矛盾が生じたり、登場人物の動きがわかりにくかったり、と言った感じです。
そこで、もう一つのプロットの作り方として、「時系列プロット」というのを考えてみます。
簡単に言えば、その世界での登場人物の動き、出来事などを、予定表や計画表のように時間ごとに書き記す方法です。
例えば、こんな感じです。「My Lost Day~彼女がいないくなった日~」で書こうと思ってるプロットです。
6:00 亜留、起床
6:30 亜留、朝食(母は出かけていていないので、自分で作る)
7:00 亜留、散歩へ。海岸公園の方向へ。
7:20 亜留、重菜と会う。沙織のこと、リラのことを話す。重菜も鱈瀬神社に向かうことに。
7:40 亜留、重菜、準備のためにいったん帰宅。集合場所は8:20に阿流野辺バス停。
8:20 亜留、重菜、バスへ。バス車中、重菜から沙織のことを聞く。
9:00 星海センタータウン到着。明と待ち合わせ
9:20 亜留、重菜、明、鱈瀬神社へ向かうバスへ。車中、リラと神社に着いた後の打合せ
9:50 鱈瀬神社到着。まだ社務所が開いてないので、神社周辺を偵察
10:00社務所が開いたので、受付。神主と会う。打合せ通りに行かず、お祓いが始まる
このように、時間ごとに出来事をまとめることで、時間的に無理がないか、ということを確認しながらプロットを作ることができます。
細かい会話や出来事を取り入れたい場合は、その部分を箇条書きにして出しておけばよいでしょう。
わかりにくければ、番号を振って、対応するところに対しての詳細を書く、という方法もあります。
7:20 亜留、重菜と会う――(1)
(1)
①海岸公園に向かう途中の道路で、亜留は重菜に会う。
②重菜に買い物に付き合わないか聞かれる。が、鱈瀬神社に行くと断る。
③女性が多い鱈瀬神社に、明と二人で行くのは不自然だと、重菜は疑う。
④沙織のことを説明するために、リラがリラの霊体を重菜に可視化
⑤重菜に沙織のことを、亜留とリラが説明。
⑥重菜も一緒に行くことに。それぞれ準備のために帰宅。集合場所は8:20に阿流野辺バス停。
といった感じです。
時系列プロットは、時間ごとに登場人物や出来事の流れを追うのに便利です。
ほとんどの小説は、書いていくにつれて物語上の時間も流れていくはずですから、この書き方は有効であるといえるでしょう。
しかし、例えば途中で主人公や登場人物がタイムスリップしたり、回想シーンをはさんだりする場合、時間ごとにまとめる意味は薄くなることもあります。
読者にわかりやすく書くためには、まずは自分にわかりやすくなければなりません。
書きやすいと思うプロットの書き方を、自分で探してみましょう。




