VRMMO問題6:ゲームである必要性はあるのか?
自分のオリジナル小説は、自分が書きたいと思っていることに対して、登場人物や舞台、設定などを決めていきます。
しかしながら、VRMMORPG物というのは、まず舞台や設定があって、そこから物語を考えていく、という方法をとる人が多いと思います。
逆に書きたい話があって、それにそって舞台や設定を考える人もいると思いますが、大半は舞台や設定が先ではないかと思います。
物語先行でゲームの設定を考えるならいいのですが、先にゲームの設定を決めてしまうと、ゲームの設定ありきで物語を進めないといけなくなってしまいます。
VRMMORPGだと、序盤にゲームシステムの説明や、これがどんなゲームなのかの説明をすることが多いと思うのですが、その時点で「物語に使えるツール」がほとんど決まってしまうのです。
後から追加することも可能ですが、根幹を大きく変化させることは難しくなります。最初のシステムで、そのゲームの面白さ、物語の面白さが決まってくるわけです。
前述にもありましたが、VRMMORPG物を書くというのは、かなりの制限がかかってしまいます。それゆえに、「書きたいことが、このシステムでは書けない」という状況に陥る可能性もあります。
ゲームのシステムが物語に直結するわけですから、そのゲームの特徴を活かした話を作る必要があります。でなければ、ゲームである必要がなくなってしまいます。
ゲーム内で起きた出来事を、ゲームの特徴を活かして解決する。あるいは、うまくスキルを使って解決する。アイテムを使って解決する。アイテムを取るための話を作る。
そう考えると、VRMMORPGというのは、ある意味RPGのシナリオを書くことに近いのかもしれません。
しかしながら、ただスキルやアイテムを使えば解決するというのも面白くありません。ましてや、事件を解決するために突然新しいスキルに目覚めたり、どこからかアイテムを手に入れたりするような「後付設定」はできれば避けたいところです。
そのためには、最初のシステムやゲームのルールをしっかりしておくか、伏線となる出来事をいくつもちりばめておく必要があります。
ここら辺が書き手のセンスであり、それがうまくできるかどうかで、おもしろい話になるかどうかが決まってくるわけです。
ゲーム世界での限られた条件、限られたシステムで、どのように登場人物が事件やイベントを切り抜けていくか。物語を中心とするならば、条件を厳しくするほど、それを突破した時に読者の感動を生み出します。
ゲームならではの物語をうまく作れるか。単にスキルやアイテムで解決するなら、ゲームじゃなくて異世界物でよいのです。




