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VRMMO問題3:そのゲームは本当に面白いのか?

「私が思うに、VRMMO作品を書いている多くの作者さんは、みんながみんな、ゲームばかりを見ているように思う。(中略)そして、ゲームばかり見てるくせに、ゲームの面白さがなってません」

「『大人気』とどっかで言ってる作品は特にです。『大人気』と銘打っているなら、『面白い』ゲームでなくてはいけないのです」(ベギンレイムさん活動報告より)


 VRMMORPG物を書きたいと思っている人は、前述のような実社会、リアルな世界を視野に入れようと思っている人は少ないのかもしれません。

 何故かというと、筆者にとってはゲームの世界が大切であり、実社会は実際問題どうでもいいのです。ゲームの世界で主人公が活躍する姿が書きたいのです。

 筆者からすれば、おそらく登場人物がゲームを始める過程というものも省きたいと思っているのではないかと思います。しかし、これを書かないで話を進めると訳が分からなくなる。だから仕方なく書いている。

 なので、ゲームを始める過程や登場人物の住んでいる実社会については、あまり深く考えることはしないのでしょう。めんどくさいですし、読者もそこまで考えないでしょう。


 そういうわけで、VRMMORPG物を書く多くの筆者は、「ゲーム中の物語で勝負!」と思っている人が多いのではないかと思いますが、そのゲーム自体が問題となります。

 タイトルにもありますが、そのゲーム、本当に面白いのでしょうか?


 あらすじに平気で「日本(または世界)で◯◯万人がプレイする大人気VRMMORPG」というキャッチフレーズを書いている人がいます。おそらく読者に読んでもらいたくて目を引くために書いているのかもしれません。あるいは、とりあえず面白そうなあらすじにしようということで、特に考えもなく書いているのかもしれません。

 しかし、このキャッチフレーズ、自分でものすごい制限をしているんです。

 どういう制限をしているか? 箇条書きにしてみると大体こんな感じになります。


・何万人もプレイしている、絶賛稼働中のVRMMORPGですから、おもしろいゲームに違いありません。つまり読者がそのゲームをプレイしたいと思うようなゲームにしなければなりません。

・何万人もプレイしているのですから、そのゲームの運営は相当しっかりしているのでしょう。よって、よほどのことがない限りは(小さなバグはあっても)大きなバグはありえません。

・VRシステムを利用してのゲームですから、犯罪を考える人もいるでしょう。そういうところのセキュリティも、上記の理由よりしっかりしているはずです。よって、簡単にハッキングなどの人為的な操作が起こることはあり得ません。

・仮に誰かにハッキングされたのであれば、ハッキングをした人は運営が施したものすごいセキュリティーを突破した、とんでもない天才であり、超強敵ということになります。よって、コンピュータの知識がほとんどない一般プレイヤーには簡単に倒すことはできません。


 これを言い換えると、VRMMORPG物の筆者には、以下のようなことが要求されます。


・現実は不可能であっても、何万人もの人が遊びたいと思うような、「発売したら確実に売れる」ゲームを作ってください。

・ゲームシステムの欠陥を利用した物語を作ってはいけません。作るなら、どうやってその欠陥が生じたのかその理由を明確にしてください。

・ハッキングされるなど、運営以外の人間がゲームに干渉するなら、どうやって完璧なセキュリティーを突破するのか考えてください。

・ゲームのプログラムの知識0の主人公たちが、どうやってそんな強敵を倒すのか考えてください。


 もちろん、全て必須というわけではありませんが、少なくとも面白いゲームにする必要はあります。 面白いゲームというのは、少なくとも自分自身、あるいは読んでもらった人の何人かは「このゲームやってみたい!」と思わせなければいけません。そんなゲームを考えるのが容易ではないのはよくわかると思います。


 さて、ただ単に「面白いゲームを作るのは難しいから手を出さない方がいい」というのは簡単なのですが、それでは面白くないので、「面白いゲームを作る」ためにはどうすればよいのか、というヒントも挙げておきたいと思います。

 大人気なゲームであるのは、それなりに理由があるはずです。

 ですから、「今大人気なもの」「今はやっているもの」が「何故大人気なのか」ということを考えてみましょう。

 

 例えばmixiやSNSが流行ったのは、「コミュニティなどで気軽に遠くの人ともコミュニケーションが取れるから」という理由がありますし、twitterが流行っているのは「いつでも手軽に自分の近況を数文字程度で送信できるから」という理由があります。

 別観点から考えると、「現在の読者」に対しては面白いと感じなくても、その世界では「◯◯というニーズがあるから」という理由で大人気だ、ということの説明を入れるのもよいと思います。

 もちろん、読者が読んでもそれなりに面白くないといけません。


 散々「面白いゲームでなければダメだ」とか言ってきましたが、要するに「大人気」だとか、「◯◯万人がプレイする」とかいう肩書きを入れなければ、ある程度の制限は消えていくのです。

 例えばゲームのバグを利用した話を書きたければ、最初からバグが起こりえる状態にすればいいのです。

 βテスト版で限られたプレイヤーをテストプレイヤーとしているだとか、サービス開始直後だとか、そういう設定にすれば、何らかの大きなバグが起こっても不思議ではないでしょう。


 どちらにしろ、ゲームを中心として話を進める以上、ゲーム自体は面白いものを考えなければいけません。でなければ、読者は物語に入り込めないのです。

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