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推敲時のポイント

 私が投稿するときは推敲はしないのですが、大抵の人は投稿前に一度文章を見直すのではないかと思います。

 大抵の場合は誤字脱字が無いかとか、小説作法に合っているかとか、そういうところに観点を置くのではないかと思うのですが、せっかく見直すのですから、いろんなところに注意を向けてみましょう。


 推敲する際に見ておきたいポイントをいくつか挙げておきます。


・誤字・脱字


 恐らく推敲の一番の目的では無いかと思います。誤字や脱字が多いと、それだけで読みづらいとか、稚拙な文章だとか思ってしまいますからね。

 全てを見つけるのはなかなか難しいと思いますが、一字一句見直して、誤字脱字の無い文章を目指しましょう。


・誤変換


 最近は原稿用紙ではなくパソコンで書くことが多いと思いますが、それ故に原稿用紙で書く際にはほとんど起こらない、「誤変換」がよく起こります。例えば「参加する」と書きたいのに「酸化する」となっていた、とかですね。

 誤字とほぼ同じですが、書いているときはスルーしやすいので注意しましょう。


・小説作法にしたがっているか


 新しい段落は一字下げて書く(「 」のときは下げない)、三点リーダーやダッシュは二字分使う、「!」や「?」の後は一字空ける、台詞の最後は句読点をつけない(出版社によってはつけることで統一してるところもあるようですが)、漢数字とアラビア数字を混在させない(必要な場合は除く)……。

 小説作法にはいろいろあるので、そういうのが守れているかチェックしてみましょう。

 ただ、出版社によっても小説作法が異なる場合があるので、もし出版を考えている場合は、出版社の規定に沿って推敲しましょう。


・表記ゆれ


 例えば「引越し」と「引っ越し」など。同じ言葉でも、表記ゆれがあると統一感がなくなるので、問題なければ統一させたほうがいいでしょう。

 チェックする簡単な方法は、ワードで入力して表記ゆれチェックする方法でしょう。表記ゆれを自動で検出してくれるので、どちらかで統一させればよいでしょう。

 他にも、「ドア」と「扉」など、同じものに対して複数の言葉をあまり使わないようにしたほうがいいでしょう(表現するために使い分けている場合は除きます)。


・繰り返し表現・同一表現


 同じ感情や同じ情景を示すときでも、同じ表現ばかり使っていては、表現力が無いと思われてしまいます。

 まったくの同一であればともかく、例えば「悲しい」という状態一つとっても、どれくらい悲しいのかという程度がありますし、「冬の景色」を示すのにも、「雪が降っている」一辺倒だったり、「とても寒い朝」という表現ばかりだと飽きてしまいます。

 なかなか表現を書くのが難しいとは思いますが、いろんな場面を想定する、人間や風景を観察する、他の小説を参考にする、など、いろんな方法があると思います。


・台詞の過多


 言い争いをしている場面だとか、スピード感を出したいときにどうしても台詞続きになってしまいますが、それだと途中で誰がどっちの台詞を話しているのかわかりづらくなってしまうことがあります。

 その場合は、適度なところで地の文に登場人物の感情や背景描写、心情描写などを挟むとよいでしょう。


・台詞と登場人物の相違


 上記の台詞が長い状態のときにやりやすいのですが、例えばAさんの台詞なのに、地の文では「Bはそう言った」などと書いている、という場合です。

 読んでいておかしいな、と思ったら修正しておきましょう。


・登場人物の性格の不一致


 本来、その登場人物の性格からすると、そういう行動を取ったり、そういうことを言うのはおかしいのに、そういう言動をしている場合、などです。登場人物の性格がある程度定まった頃に最初の文章を読んでいると、そういうのに出くわすことがあります。

 ある程度変更可能なら、その文章を登場人物の性格に合わせた言動に修正したほうがいいでしょう。

 ただ、物語の長さや流れによっては、そこが修正不可能な場合があります。そういう場合は、性格が変わった、というエピソードを付け加えたり、その矛盾を解決するようなエピソードを付け加えたりするとよいでしょう。


・背景描写と登場人物の言動の不一致


 極端な例で言えば、舞台は真夏なのに登場人物が全員コートを着ている、といったことです。その場での登場人物の背格好や言動がおかしいと、読者は違和感を覚えてしまいます。

 もちろん、あえておかしな行動を取らせて、他のエピソードの伏線にすることは可能ですが、狙っていなければ修正をしましょう。


・登場人物の話し方のばらつき


 性格の不一致と類似していますが、登場人物の話し方にばらつきがあると、登場人物の性格を読み取りづらくなります。

 また、台詞が長く続く場合、同じようなしゃべり方だと、どちらがしゃべっているのかわからなくなってしまいます。

 具体的には、「他の人の呼び方」「丁寧語かタメ口か」「物に対する呼び方」「物事に対する考え方」といったところですね。


・改行のタイミング


 同一場面だと、ついつい一文が長くなってしまうことがあると思います。

 しかし、あまりに一段落が長すぎると、読者は疲れてしまいます。

 そういう文章があったら、句点でうまく切ったり、改行したりして、適切な文章量になるようにしましょう。

 逆に、特に改行がいらない場面で改行を多用している場合も読みづらくなる場合があります。

 ひとまず読んでみて読みづらいと感じたら、改行が適切であるかを考えて見ましょう。


・適切な句読点の使い方がされているか


 例えば、この文章のように、読点が、やたらと、多く、使われていると、とても、読みづらく、感じてしまうのでは、ないかと、思います。

 例えばこの文章のように読点が全然ない文章だと読者は息切れを起こして疲れてしまいます。

 読みづらいと感じたら、まず声を出して読んでみるとよいでしょう。


・ルビの振り忘れ、振りミス


 ここ「小説家になろう」ではルビを振ることができますが、うまくルビを振ったつもりでも、きちんと振れていない場合もあります。

 逆に、( )を使っている場合、思わぬところでルビが振られている場合があります。

 書きかけの小説できちんとルビが振られていることを確認してみましょう。

 どうもうまくルビが振れない場合は、「ルビの振り方」をよく読んで、ルビを振ってください。


・物語のスピード感


 物語上の設定している時間と、読者が感じる時間が一致していないと、読者は違和感を感じます。

 ここは時間的に短い場面なのか、あるいは、とてもゆったりとした場面なのか。そういうところも見ておくとよいでしょう。

 簡単にまとめておくと……


 スピード感を出す→台詞と台詞の間の地の文を少なくする、一文を短くする、改行を多くする、体言止めを有効に活用する

 ゆっくりとした時間を感じさせる→台詞と台詞の間の地の文を多くする、情景描写や背景描写、心情描写をたくさん入れる、一文をある程度長くする


 といった感じですね。

 スピード感を出したい場合は、地の文を極力登場人物の動きくらいにとどめ、説明などはスピード感を持たないところに持ってくるといったような工夫をする。

 長い時間を表現したい場合は、地の文の情景描写を多く取り入れたり、登場人物の特徴を時々繰り返して描く。

 このような工夫をするとよいのではないかと思います。


 まだまだ推敲するポイントはたくさんあると思いますが、大切なのは「読みやすい文章を作ること」「自分の表現を読者に理解してもらうこと」です。

 せっかく書く小説なのですから、読者には自分の世界観にしっかり入ってもらうような工夫をしましょう。

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